親指は捕まりました2


続編です、メタ発言も出ます。



『この 流れで 外に でると いうのか!?』
「えへへ」
相も変わらずNにお熱な私はBWの続編であるBW2もぶちぎりを繰り返していた。
ついでにいうとBWは未だにバトルサブウェイには行っていなかったりする。
つまり私はサブマスとやらとぶちぎりの度に顔を合わせては、またかとか言われているわけだ。
しかし!!ソフトの問題か、新作のBW2をやり始めるとぱたりと合わなくなった。
ラッキー、もうノボリさんの小言はなしだー。なんて、少し寂しさを感じつつチラチラと見え隠れするNの影を追う旅に興じているわけだ。
Nの出る部分は最低二回は繰り返し見ているわけだ。
そしてクライマックス、リュウラセンの塔へ行きたまえ、と言われた後しつこく話をかける。
『リュウラセンの塔に 行きたまえ
ボクは……
2年前の
あの トレーナーを 探す
そして……
アリガトウ
そう 伝える つもりだ』
こ、これは……。
「BW、完璧にクリアしないと……Nが幸せにならないのか」
まあ、それはあとでいっか、はいぶちぎりー。
「もう一回もう一回ー」
「やめろと何度も申しているはずですが」
「ぎゃん」
いきなりの声に私はDSを手から滑らせる。落下地点にはクッション、セーフ!!
「ノボリさん!?なんでいんのよ、消えたのでは!?」
おかげでDSとの一生の別れになるところだったじゃないですか!
「ぼくもいるよーなまえ」
「クダリさんもですか!?」
「うん」
私が画面を見ると同時に、ポケモンの進化時のあの曲が流れる。
「あんまり私にはめでたくないですから、やめてくださいね」
「もう、ぼくはなまえと会えてうれしいよ?」
「ですが、こういうふうに会うのはやめませんか」
「えーいやですよ、まだNくん見足りないんで」
「N、N、NNえぬばっかりいいい」
うるさいな。そっとDSのスピーカー部分を指で隠す。ずるいずるい!!と叫ぶクダリさんをノボリさんがぱっこーん!と叩いた。……家庭内暴力?
「なまえさまもなまえさまでございます」
「え、クダリさんは無視?」
「BWもクリアしていないというのに2まで買って相変わらずぶちぎりですか」
「はいそうです、何か問題でも?」
「あるよ!!」
叩かれて蹲っていたクダリさんがいきなり顔を上げる。画面の中だからコントにしか見えないんだけどなあ。
「だって、なまえ来なきゃぼく楽しくないよ?」
じっと見られた私は固まってしまう、なんだこいつ子供みたいな喋り方してるくせに。
クダリさんの視線にきゅんきゅんしてしまう私、でも私はNが好きなので。
友達に言われたし、今回はイッシュリンクでいろいろできることがあると聞いて、しかもNがでるらしいのでクリアする予定はあるんですよって言ってやる。ふふんとふんぞり返っていればノボリさんが画面の方をきりっと向いてくる。
「ええ、ですがなまえさま、それをするにはBWのクリアが前提ですよ」
「えええ!?」
「あ、釣れた」
ウソだろ、友達ってばなんて意地悪してくれたんだろうか。先に言え!!
「……もう一個買ってくる」
「はあ?」
おお双子、声をぴったり揃えてダブル「はあ?」頂きました。
「BWもBW2ももう一つずつ買ってくるううう!!」
頭を抱える私に画面越しにもわかるゴミかなにかを見るような目で見てきた二人に言い訳のように叫ぶ。
「だだだ、だってNがNが!!」
「おやめなさい」
「そうだよー、それ買うなら3DSして全国図鑑にしなよ」
「嫌ですよ、ステマですか」
「違うよ、あ、でもでもいろんなポケモンに会いたいからそれでもいいよ!!」
「クダリ、違うでしょう」
ノボリさんがクダリさんに何かを言うとクダリさんもきりっとして私の方を見てくる。
「ねえなまえ、20連勝してボクと戦って」
「あなた様のお越しをお待ちしております!!」
ばっちこーんとウィンクしてくださって悪いけど、私はまだまだぶちぎります。
言おうとしたら、ウルトラマンよろしく時間切れになったらしいノボリさんとクダリさんは真っ暗の画面の中に消えた。
……よし、じゃあNに会いにいこっかなー。

――――――――
ええ、でもヒロインはクリアした後にぶちぎりしたらNに会えるかもっていう可能性を考えないのかって今、私が思いました。
13.01.04

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