その、なんだ。とこの男は何回言ったのだろうか。煉獄さんの鎹鴉が自宅まで呼びに来たと思えば、要領を得ない話を何度もするもんだから、短気な私はイライラが募っていた。そこにきた千寿郎くんが「兄上、早く伝えた方がいいのでは……」と言ってくれたのに煉獄はまだはっきりと要件を伝えようとしない。ああもう、駄目だ。

「さっきから煉獄さんらしくない!言いたいことはハッキリと仰ったらどうですか!」

いつもあんなに声が大きいくせに!と、さっきまで我慢していたのについ怒りにまかせて言ってしまった。ああ見てみろ、私の声に千寿郎くんがおろおろとしている。ごめん、君に言ったんじゃないんだよ。ハッキリ言わないこの男に言ったんだからね。と言いたい気分だが、ここで千寿郎くんに優しくしたら怒ったのが無駄になる。後で美味しいお菓子でもお詫びに買ってこよう。いや、煉獄さんに買わせよう。

「誕生日」
「は?」
「誕生日おめでとう!と言っているんだ!」

やけくそ、と言うのがぴったりなくらいその言葉は勢いよく放り投げれられた。
は?誕生日?いやまあ、確かに。今日は私の誕生日ですけども。だけどそんなに照れることか?何に照れているのか全く分からないが、その言葉を有難く頂戴しようと思う。でも、お菓子は買ってもらう。私と千寿郎くん、二人にだ。私は誕生日だし、千寿郎くんは可愛いので特別高級な芋羊羹で頼む。


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