「占いは信じるタイプか?」

彼女が読んでいる雑誌の見開きページ。そこにはかわいいキャラクターと共に今週の運勢が書かれている。全体運、金運、恋愛運、そして相性の良い星座。ちなみに言うと俺は占いは全く信じない。

「んー、良いことは信じるタイプ」
「それが一番良いかもしれないな!」
「んで、煉獄は?誕生日5/10っしょ」

つつつ、と指で俺の星座を指す。誕生日を覚えていてくれたことに嬉しさを感じつつ、指されたそこに書いてある内容を見る。当たり障りのない事が書き連ねられている中に一つだけ気になる箇所があった。

「占いは信じないタイプだが、これは信じてもいいかもしれん」
「どこ?」
「君と俺の相性は、今週特にバッチリのようだ」

もちろん俺も、彼女の誕生日を覚えている。だからこそ、この部分が気になった。元々相性が良いと思うし、こうやって学校後に俺の家に来て雑誌を読むくらいの仲ではある。親しい友人、よりも少しは上かと思ってはいるが、俺たちの関係性に名前はない。だけど、それは今から名前がつく。既についているかもしれない。顔を赤くして俺を見る彼女の反応は答えをいっているようなものだ。

「すず乃」
「あーあーあー!聞こえない!」
「こら、ちゃんと聞きなさい」
「知らないし聞かない!なんで急にそん、」
「好きだ。付き合ってくれ」
「……煉獄の馬鹿。いちいちそんなこと聞くなよ!」

ほらやっぱり。しかし、怒って雑誌を抱えて睨まれても、それは俺を煽るだけだと彼女は分かっているのだろうか。


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