袖ヶ浦すず乃様

拝啓

夏の暑さも落ち着き、朝晩はだいぶ過ごしやすく感じられるようになりました。
体の調子はいかがでしょうか。もう辛い事はありませんか?こちらは特に変わりありません。

さて、今日こうして文を認めているのには理由があります。
それは秋になったからであるとか、友人から貴女の話を聞いたからなどと言ったよくある理由ではありません。

少しばかり、自分の話をさせていただきます。
私は最近、寝苦しい夜ばかり過ごしていた。寝苦しいというのは、この湿度のせいではなく単に夢見が悪かったのです。それが一週間近く続いてほとほと悩んでいたのに、とあることがきっかけになりぱたりとそれが止みました。止んだどころか、毎日とても眠りが深い。

それと手紙になんの関係があるのだろうとお思いでしょう。大いに関係しているのです。
貴女から届いた文を読んでから、すっかりと眠れるようになったのですから。この文についてやってきた、香の薫りのお蔭でしょうか。まるで貴女が隣で寝ているような、そんな気持ちになったのです。

恥ずかしい事を言うな、と貴女は笑うでしょうか。それとも頬を膨らませ怒るでしょうか。
私はどちらでも良いと思います。まわる度に柄を変える万華鏡のように、表情が変わる様がとても好きでした。

秋が深まる度、貴方がより一層濃くなります。
どうか、お元気で。

敬具

煉獄 杏寿郎


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