何度もティッシュに挟まれたせいで赤くなった鼻。それでもやめることなく鼻をかみ続ける彼の姿が、いつもの印象と違ってとても可愛く見えた。真っ白でシワがきちんと伸ばされたシーツの上に、二軍落ちしたTシャツを着て寝転ぶひと。鼻声で、熱で潤んだ瞳はちいさな子供みたい。私が作った卵しか入っていないお粥をレンゲいっぱい掬いながら、話を聞いている。(聞いているというより聞かされていると言ってもいい。だってずっと、私が一方的に話しているのだ)
ちなみに話の内容は、どれだけ煉獄さんが愛しいのかという事だ。

「君はその、少しおかしいかもしれないな」
「なんでですか!」
「それより、新しいティッシュを取ってくれないか」

ちーん!と煉獄さんが勢いよく鼻をかんだ。くしゃくしゃと丸められたティッシュが、小さなゴミ箱を埋め尽くしている。新しいティッシュを開けながら私はその光景すら可愛く見えてきていた。我ながら煉獄さんに狂っていると思う。だって、鼻をかんだティッシュすら愛しいなんて!


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