顔(創作)
向けられた指鉄砲の銃口は自分の眉間にぴったりと寸分違いなく照準を合わせられていた。
「…」
生唾を飲む音は体内から漏れ耳に響く。
「…」
同じ顔がそこにはある。
同じ日に生まれ同じ日に取り上げられ同じ日に殺されかけ同じ日に生かされ同じ時を過ごした顔。
切れ長の目も高い鼻も薄い唇も、見慣れたそれをお互いの瞳に写す。
ひとつは背の高い椅子に拘束され驚愕の顔。
ひとつは指鉄砲を向けた感情のない顔。
|end?|
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