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雨が降った

「本日は、傘はいらないでしょう。」
と言っていたお天気お姉さんの嘘つき。
外は曇天ですけど。

雨は嫌いではない。
傘を跳ねて雨音を奏で、蛙も歌いだすってか。
風流だか、どうだか知らないけど室内で聞く雨音は好きだ。

でも、外で聞く雨音は嫌いだ。
傘さすのもめんどくさいし、外だと音楽を大音量で聞くから雨音なんて掻き消される。

普段は、自転車で通ってるんだけど雨が降ったら電車通学になる。
傘さし運転して、派手にこけてから素直に雨の日限定で電車にした。
普段は、通常スピードで走るけど朝はデッドヒートの競輪レースになるのだ。

信号が青になったらスタートで、自転車がフルスロットで走り出す。
あの状態で、雨の日クラッシュしたのだ。
あれは、泣きたくなるくらい切ない思い出になった。
遅刻を知らせるチャイムなる寸前、自転車を止めてため息付いた時。
友人に会った。
普段なら軽くあしらいたくなる、朝からテンションの高い腐れ縁なんだが今日ばかりかはお前に会って良かったと思いたくなった。
んなこと思ってたら、「やばい、俺愛されてる?」
とか笑いやがるからげんこつをお見舞いしてやった。


朝のホームルームにギリで間に合い、血が滴り落ちる足を見せて、保健室いいすか?って言ったら、「あー、行け行け。しかし、お前ドジ踏んだな。」
余計なお世話だよ。
その後、手当てしてもらった。
軽く剥がれてきてめくってみたら、派手に擦りむけてた。友人に「ちょ、グロいから隠しとけ。」と言われて静かに戻した。

と、まぁこんなことがあったので雨の日は電車通学なのだ。
朝の通勤ラッシュは、慣れない。
いつもは自転車だし、一時の我慢だ。
雨で憂鬱なのに、電車はヒューマンスペースを浸蝕するに過ぎない。

いつも乗る、7:32発の電車。
大体、扉近くの角を陣取っている俺から見える、斜め前に立つ女の子。
この電車にいつも乗っているのか、必ず見掛ける子。
嫌でも、誰かと目が合う電車の中。
彼女と目が合えば、必ずふんわりと微笑むんだ。

……−あぁ。
雨の日も悪くないかも。






6日目




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