君は優しい人だから、
荒れ果てた地上に、存在感ある木を見て彼女は涙を流した。
その木は枯れ果て、葉も花もつけてない。
なんという名前の木なのか、皆目見当はつかない。
それくらいに、その木は枯れ果てていた。
けれど、
「ブーゲンビリアの木が…」
そうつぶやいて、かさかさとした幹の木にしがみついた。
「そうか、コイツはブーゲンビリアか。」
歩み寄っては幹を撫でると、パラパラと撫でれば撫でるほど幹は地面へと落ちていく。
「こいつの最後は、酷かったんだな。」
そう呟くと、スズはコクリと頷いた。
人の持ち得ない能力なのだろうか、スズはポロポロと涙をこぼしていく。
世の中、同族の人間を何食わぬ顔で蹴落としていくのに
他人の辛さがわかる能力ほど酷なものはないだろう。
「スズ、」
「…はい」
「帰ろう」
ほら、と引いた手は冷たかった。
死んだ魂の木に温もりを与えた君は、
―――――――――――
…久しぶりに破鈴書いた結果がこれだよ。
銀魂(といっても陸奥)に浮気しまくってたら、大分書き方変わったような気がします。
いや、というかなんかクサい!なんか書いといてあれだけどムズムズする:(;゙゚’ω゚’):
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