なまえは焦っていた。
阿含に大激怒され、追いかけ回されている時よりも焦っていた。そう、寝坊をした。
皆はなまえがいない事に気付かず、もう王城対泥門戦を観戦しに行ってしまっている。
なまえは頭を抱えた。

先ほどのメールでは、もう既に皆は球場に着いているようだった。
着いたら雲水に怒られる、と確信していたなまえは、半泣き状態だ。
昨日準備したバッグを引っ掴み、道着に着替え、櫛で髪を整えて部屋を出た。

なまえが廊下を走っていると、同じクラスの男達が、「アメフト部今日どっか行くんじゃなかったかー?」と小馬鹿にした。
うっせー!と吐き捨て、なまえは神龍寺の門へと向かって行った。

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