誰にでも好かれていて、笑顔で、活発で、頭はあんまり良くはなかったけれど、学級をまとめていて、学校でやるような行事が大好きだったアイツ。
中学から髪を染めていた俺に、恐れもせず話しかけてくる、あの怖いもの知らずのアイツ。
最初に話しかけられたのは、体育祭の演目で、二人三脚をのペアを決めるときだった。
俺を怖がり、周りの奴らは俺とペアを組もうとせず避ける。適当な奴選んで終わらせるか、と立ち上がる。
顔を上げるとあのクソ委員長ちゃん。

「金剛、私とペア組も!!」
「はあ?」

先公に言われたからか。
それとも俺をカワイソウだと思ったからか。
偽善の塊だな、と笑おうとしたが、アイツはニッコニコ笑いながら体育祭当日の話をしていた。

「金剛は足早いし、運動神経いいからな〜
私もまあ早い方だし、私達組んだら最強でしょ」

ハッハッハーと声を上げて笑うアイツを見ながら、周りの奴らはケラケラ笑いながらアイツをからかった。
なんだこいつ。
きもちわりーな、なんて思いながら、「オウ」なんて言えば、アイツはまた嬉しそうにニカッと笑った。
ゲシゲシと上靴を蹴ってやると、「なんだよー」とか言いながら、軽くパンチされた。



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