夏休み、それは学生にとっては魅惑の時間。宿題を毎日コツコツ、または前半に終わらせられれば勝ち組で。カツオくんみたいに最終日にお父さんたちに手伝ってもらえればまだいい、忘れていたり現実から目をそらしてしまったらもう負け組へと変わってしまう悪魔の時間でもある。
だけどな、しゃーない思うねん。だって夏休みだし、遊ばなきゃ損!やろ!




…………遊ぶ友達がおれば、な。




地球温暖化なんて大きな問題はまるっきり無視で、クーラーの設定温度ボタンの下を何度も押した部屋でベッドにごろりと転がる。
クーラーをつけたばっかりだからまだ暑い部屋で涼しくしてもまだ暑い。額にぺたりくっつく髪は本来の色よりも濃いのが見える。こんな暑い部屋でひとり冷房もつけなかったら脱水症状で、死ぬ。
親もいないから、夏休み明けになってはじめて心配されましたもう手遅れですとか洒落にならないから、いやまじ。
やっぱり温暖化なんておっきな問題より、自分の命という身近な問題を解決するべきだ。
そして、夏休みをどう過ごすかっていう問題も解決しないといけない。

学校では当たり障りなく、浅く広くの人気モノだから、いわゆる友達とは放課後だけでなく、夏休みにわざわざ出掛けて遊ぶ存在かっていわれたらどうだろう?と首を傾げる。
そもそも人間とあんまり一緒にいたくない。うっかり、じゃあもう遅いのだ。まだオレは「桐咲歴史」だって胸はっていえる人間でありたいのだから。
……やっぱり今年の夏休みもどこにも行けずに終わるんだろう。それに寂しく思いながら、それでもいいと思う。でも、どうしてか今日はそれではいけない気がした。気がしただけなのに、エアコンのスイッチを切った。



「あー…………そと、行くかあ……」





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