「うきゃっ!にゃっ…うわああああーん!!?」

ぼふんと何かやわらかいものの上に落ちて、トランポリンの上みたいに跳ねて、また落ちます!それが何回も続いたあとに、最後にもう一度跳ねて、ごろごろとどこかを転がっちゃいました。つぶってた目をあけたら、そこは明るい明るいお外で、本当に木の穴から不思議の国に来てしまったのでしょうか?隣に落ちたデッキブラシとモップ――名前は《幸福致死(マジカルバナナ)》と《甘味惑星(ミセスドーナツ)》を拾いあげて周りを見たけれど、別におしゃべりしてる花だとか、そもそも遅刻しそうな白ウサギさんはいません。なんだか拍子抜けしてしまったのです。アンダーランドは、れむの世界と変わらないだなんて夢のない。子どもの夢を壊されてしまったです。
えーっと、こういうときはどうすればいいんでしたっけ?おねえちゃん先生が違う世界に来てしまったときの対処法も教えてくれました!おねえちゃん先生は、本当になんでも知っているんです!思い出してみます、えっとたしか『あのね!トリップしたらね、王道的にきっと主要キャラたちとすぐに遭遇するから受け身になってればいいよ。あとは天真爛漫に、自分らしく突っ走ればみんなその子の魅力に萌え萌えしちゃうんだよ、えへへ!れむちゃんがトリップしたらすごく楽しいんだろうなあーしたら教えてね!』……あれれ?これは役にたつアドバイスなんですか?違うほうだったと………、ああそうだ。じょうきょうかくにん、でした!目で見えるものだけじゃなくて、匂いと、音と、自分の感覚すべてを感じて逃しちゃいけません。怒られちゃいますよ。

「…ん?んんん……?」

れむにとって慣れ親しんだ匂い、血の匂い、です。れむは子どもだけど立派な殺し屋さん。匂宮雑技団の、ひとりです。普通の子と一緒にされちゃあ困ります、普通の子よりすごいんです。だから血の匂いにももちろん敏感なんです。…これはひとりじゃないですねー……大量虐殺でも誰かしてるんでしょうか?


じゃあ、いくしかないです!












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