まだ太陽沈まぬ午後。
そっとレナの部屋へ訪れてみれば、彼女は幸せそうに寝息を立てていた。
もはや央魔となったレナは、昼間は寝ていることが増え、明らかに自分とは違うのだと思い知らされる。

けれど、そんなことは関係なかった。

気付いてしまったから。

彼女を、

レナが、

愛しい(欲しい)と。



今まで異性なんて気にしたことはなかった。
でもレナに出会ってから、未発達の体は急速に変化した。



触りたい、抱き締めたい、口付けたい。



穢らわしいと思いながらも、雄の本能は消せない訳で。



「ん…」



身動ぐレナに近付いて、その冷たい唇へと口付けた。
なかなか起きないのを知ってるから、何度も繰り返して柔らかな唇を吸ってみる。

「…やば」

徐々に興奮してきて息が上がってくる前に、静かにレナから身を引いた。

(ああ、これだから男って)


情けないと思いながらも、止められないのも事実。
いつかこの想いが爆発する前に、告白しなければ。
この身長が、彼女を追い越すその時には。


(ごちそうさま、ねえちゃん)