白い首筋へ舌を這わせ、アーウィンは満足気に囁いた。

「私を血で縛らなかった、貴女が悪いのです」

「ど…して?お願い、これをほどいて…」

悲しみと恐怖で震えるレナは、それしか言葉を紡ぐことが出来ない。
後ろ手に縛られた両手を、どうにか自由に出来ないものか試みるが、固く手首に食い込んだ紐は暴れる程にキツくなっていく。

「ああ、レナ…そんなにしては痕が付いてしまう」

「おねが…ほどいて…」

「解けば、貴女は逃げるでしょう?」

「…逃げ…ない、から…」

抑えることの出来ない涙が、レナの頬を濡らした。

「いいえ、貴女は逃げます。あの時のように」

「…アーウィン、どうして…っ」

「レナ、世の中はとても単純に出来ているんです。食うか食われるか、善か悪か。私は貴女に央魔になって欲しかった、そして貴女は央魔になった。そして私を、血で縛るべきだったのです」

真っ直ぐに見つめる漆黒の瞳。
その視線を払うように、レナは嫌々と頭を振った。

「いやっ、アーウィンはアーウィンなの!」

「もう一つ、単純な事実があります。私は貴女が欲しい、けれど貴女はそれを望まないでしょう」

「…?どういう…」

「もう今さら、同意を求める気なんてありません」


くっと口角を上げて、アーウィンは笑う。

そしてレナの肩を押し、後ろのベッドへと突き飛ばした。


「アー…ウィン」


視界が反転するレナへと


黒い影が覆い被さり


やがて小さな雛鳥は


一生逃げられない籠の鳥となる。



『れぇなあぁ…』



ああ、懐かしい声が聴こえる…







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あれ?何だか訳分かんなくなってきた;;
とりあえずイカれたアーウィンが書きたかっただけ←