COUNT DOWN


さぁ、始めよう
キミが天国に旅立つ為の
カウントダウンを――



散々傷付け、痛め付けたその身体
最早、身動くことさえ、容易ではないだろう

横たわる君から流れる無数の血汐
朱に染まる四肢
地に生まれる、真紅の湖


だが、刻印のような疵に埋もれた身体は、決して美しさを失ってはいない
いや、寧ろ、今まで以上に美しく君を彩っているかのよう


カチャリ…――


僕は引き金に指を掛け、銃口を君の額の中心に宛てがう

「…ねぇ、最後に命乞いでもしてみたら?」

分かってる
分かってるさ

そんなこと言っても、君には意味がないんだってことも
無駄だってことも

「もしかしたら、まだ間に合いかもしれませんよ…?」
「…はん、ンなことするかよ。敵である、テメェなんぞに…乞うなんざな……」

予測通りの冷めた反応と強い視線が、僕を射貫く

「…御託はいいから、早く殺れよ。それがお前の望みなんだろ」

切っ先のような瞳が睨み据える
それは死さえも恐れない、剣士の眼だ

強く――深い瞳
深海のような闇を秘めた、深淵…
僕の愛した、漆黒の瞳

ゾクリと身体が震える
歓喜に湧く、心
魔に魅入られた、心

ずっと…
ずっと僕が待ち望んだ、終幕が直ぐそこまでやってきているんだ

「…君のそういうトコ、好きですよ?」

ゆっくりと引き金を引き始める

「……さよなら、神田」

大丈夫だよ
3つ数えるまでに、君は天国に旅立てるから


さぁ、そっと眼を閉じて
息を止めて

今、撃ち殺してあげる…――。



3、2、1……



COUNT DOWN



神田、ずっと君を愛してる…――。


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