嫌い、きらい、大キライ。
…嫌い。
……嫌い。
貴方なんか、大嫌いだ――。
だけど…。
この手が貴方に触れる度に。
この瞳が貴方を捕える度に。
この耳が貴方の声を掬う度に。
締め付けるような、熱く焦がしていくような、言いようのない強い想いが、この胸を満たしていく。
こんな感情、未だかつて、感じたことがない。
こんな感覚、一度だって、味わったことなどない。
この想いの正体など、決して、知りたくない。
知りたくもはいはずなのに…。
どうして、この身体は、心は、貴方だけを追い求めてしまうのか?
僕は貴方が嫌いだ。大嫌いだ。
だけど、もっと嫌いなのは、貴方を追い求めてしまう、僕自身――。
(20110911)
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