*20000hit記念
*学パロ番外
*ライハレ
*究極にBL
*性描写有りです








 ハレルヤはゆっくりと目を開いた。布団を退けて汗ばんだ肌を空気に曝す。秋の始めの昼前、まだ少し蒸し暑い空気はそれでも体温で温まった布団の中の空気よりも冷えていて、心地好さにハレルヤは深く息を吐いた。
 午前11時。この折角の休日を、午前中一杯眠って過ごしていたのだ。これには訳が有った。夏休み明けの考査に加え、体育祭、文化祭と重要な生徒会行事が続き、色々な準備の為に休みという休みをことごとく削られてきたのだ。
 それでも他の生徒会役員と執行部員は久しぶりの休日を満喫すべく外出し、この旧校舎には珍しくハレルヤ以外誰も残っていない。ベッドでだらだらしているハレルヤを心配していたアレルヤも、ニールと共に出掛けている。気にしながらも手を振って部屋を出ていったアレルヤを見て、ハレルヤは思わず笑みを浮かべた。ハレルヤ以上にアレルヤが優先するということは、つまり、そういうことなのだろう。





 ベッドを抜け出して、ハレルヤはキッチンへ向かった。グラスに水道から水を汲んで寝起きの渇いた喉を潤す。微妙な鉄臭さのある常温の水では今一気分がすっきりせず、思わず眉を寄せた。気持ち悪い。
 その時、突然扉が開いて誰かが入ってきた。

「お、ハレルヤ」
「……ライル、お前も買い物に行ったんじゃなかったのか?」
「済んだから帰ってきた。ハンバーガー買って来たぜ。食うか?」
「食う」

 ライルは笑みを浮かべてダイニングルームに戻り、テーブルの上にファーストフードの袋を置いて定位置に座った。ハレルヤも同じく定位置であるその隣に座り、袋の中を探る。

「どれ食っても良いぜ」
「……じゃあこれ」
「あ、それはちょっと……、」
「どっちだよ。知るか」

 ハレルヤはライルに有無を言わせず、手に取ったハンバーガーの包装を取ってかぶり付いた。飲み込んでからかなり空腹だった事に気付く。朝食を食べていないのだ、当然だろう。

「……腹減った」
「それ、メシ食いながら言うことじゃないだろ。あー、俺のチーズバーガー……」
「テメェが悪い。……ん」
「ん?」

 残り半分、食べ掛けのハンバーガーを差し出され、ライルは勢いで受け取った。

「え、くれるのか?」
「全種類半分ずつ食うから、残りはお前が食え」
「ははっ、なんだそれ」

 ライルはそう言いながらも嬉しそうにハンバーガーをかじった。

「そういえばさ、見ただけでよく俺って判ったなぁ」
「ニールだったらアレルヤも一緒に帰ってくんだろ」
「あ、そっか。ふーん、ちょっと期待したんだがな」
「見ただけで判る訳ねぇだろ」
「んー」

 その実、何故かハレルヤはニールとライルの見分けがついていた。見た目は同じだが、何処かが違う。ハレルヤにはその違いが不思議と判った。
 最後のハンバーガーの残りをライルに手渡して一息吐くと、ハレルヤは一つ欠伸をした。

「おいおい、まだ眠いのか?」
「あー、眠ぃ。でもこれ以上寝たら流石にだるい」
「午後は何するんだ?」
「決めてねぇ。暇。何か考えろ」
「命令かよ」

 テーブルに突っ伏してだらだらしているハレルヤの言葉に思わず苦笑し、ライルはハンバーガーを食べながら暇潰しになるものを頭の中に並べ始めた。
 読書。ハレルヤはこう見えて割と読書もする。図書室へ行けばそれなりに暇を潰せるだろう。しかし、それではライルが面白くない。テレビ、と言っても、この時間帯に大して面白い番組は無い。DVDの映画も今一だ。暇だからと言って休日に勉強するというのも有り得ない。
 何も思い付かずに眉を寄せ、ライルは指に付いたソースを舐めた。すると、突っ伏したままライルを見ていたハレルヤがふと身体を起こす。

「おい、ライル」
「ん?」
「付いてんぞ、ソース」
「え、」

 ぺろり。

 ライルの唇を、いつもアレルヤにしているように自然に、ハレルヤが舐め上げる。その間、ライルは何も出来ずに固まっていた。

「……ハレルヤ」
「あ?」
「良い暇潰し、思い付いたぜ」
「んだよ?」
「ちょっとこっち来いよ」

 ライルは立ち上がってダイニングルームを出る。ハレルヤはもう一度欠伸をして気だるげに立ち上がり、その後を追った。



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