「なぁなぁ、お前、同じクラスだよな?俺、ミハエル・トリニティって言うんだ。友達1号って事で、宜しくな!」
「おう、俺の名前はパトリック・コーラサワー、」
「ぶっ!」
入学式、入場を待つ新入生で溢れかえる体育館前。ミハエルは思い切り噴き出した。ミハエルに自己紹介中だったパトリックは突然の事に眉を上げる。
「何だよ!」
「…っ、え、それ本名か?マジで本名?はははは…っ!ヤバい……っ、コ、コーラっ、はははは……!」
「わ、笑うな!」
爆笑するミハエル。パトリックは溜め息を吐いた。
「わ、悪い…っ、珍しい、名前だな……!」
「……」
「ごめんって!大丈夫大丈夫、俺、炭酸好きだぜ!きっとお前のことも好きになるぜ!宜しくな!」
訳の判らない慰めの言葉と共にミハエルは手を差し出した。満面の笑み。少し印象は悪いものの悪いヤツじゃなさそうだと判断し、パトリックは苦笑して手を握った。
「宜しく」
数十分後、入学式で読み上げられた名前に、必死で笑いを堪えるミハエルと顔を真っ赤にしたパトリックが見られた。