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tuiki...

2020.07.19
スムーズなご提出をありがとうございました、拙いとございましたが、とっても素敵でしたので感想が冗長してしまいそうで……、以下私の感想をつらつらと並べさせて頂いております。早速以下より失礼致します。

当初なんの気のなしに最初の夢主さんの言葉を読んでいたのに、読み進めて言葉の重さや含まれたもうひとつの意味に気づいて膝を折りました。
そして夢主さんの逃げ道を作ってあげるという考え方が、しのぶさんを深く想っていることをこちらに伝えて来て、これが違う場面なら微笑ましいはずなのに、ひどく切ないです。実際しのぶさんがその言葉で彼女を嫌いになることなどないでしょうが、胡蝶姉妹にまつわる周囲の複雑な機微に夢主さんが上手く嵌っていて、構成に感服です。
さり気なく林檎を手ずから食べさせてもらっているのに、患者に対してとしてしか接していない夢主さんの描写にぐう…と唸らされました。
受け取れない、と返す夢主さんですが、日を跨いで返すということは、煉獄さんが無理矢理に持たせたのか、それとも呆気に取られて受け取ってしまったのか。その最中、月光に掲げて簪を眺めたりしたのか、それとも一度も触れず、ただ静かにしまい込んでいたのか。想像を広げさせるような切ない余韻を感じ受けました。
またその後のしのぶさんの描写が堪らないです。彼女の振る舞いを真っ向から「花柱」とエミュレータしている彼女が、家族のことでは剥がれてしまうこと。愛しているからこそ逃げ道を作りたい夢主と、愛してるから鬼と無縁の家に嫁いでほしいしのぶさん。好きです。
逃げろと、伝えることは暗に自分と逃げて欲しい気持ちもあったのでしょうか。彼女にとって恩を報いることは鬼殺しか浮かばず、本当はそうじゃなくても愛されているのに、自分の価値を鬼殺というものに縛られているのだろうか、と感じます。

文章力も最高の素敵な小説を本当にありがとうございました。この度は当企画へのご参加、本当にありがとうございました。機会がありましたらまたのご参加をお待ちしております。
十才様のこれからの執筆活動がより素晴らしいものとなりますよう、お祈り申し上げます。

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