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「なーに、ブー垂れてんの？部活終わったから帰りたいんだけど？」

『…どーせ、萩は可愛い子が好きなんでしょ』

「しょうがないじゃないかー。差し入れしてくれてるんだから無下にはできないじゃない。でも、俺が好きなのは名前だけだよ？」

『よく言うよ。ニヤニヤ嬉しそうに受け取ってたくせに』

「ニヤニヤなんてしてないよ。むしろ、俺の方が心配さ。名前が他の男に言い寄られてたらどうしようって。モテるからね、名前は」

『萩が他の子と話してるなんて、慣れたけどやっぱり嫌』

「………妬いてんだ？」

『…だって、』

「ていうかさ、あの子達には何もないけど、俺と名前には “付き合っている” っていう事実がある。それに勝るものはないよ。それも名前が安心できる要素」

『そんなの、わかんな…』

「なに？俺が二股かけると思う？」

『うっ…、でも…』

「もー、心配性だなぁ」

『ぁ…』

「あのさ、俺が大丈夫って言ってるんだから大丈夫なの。どれだけ信じないわけ？」

『結構信じれない』

「…いやー、俺もこんなに信用してもらえてないなんて驚きだよ」

『余程自分に自信があったんだね。いつから一緒にいると思ってるの？小さい頃から萩、私を騙して楽しんでたじゃない。そりゃ疑っちゃう…』

「うるさいよ」

『…んっ！』

「……はい、“ん” がついた。俺の勝ち。だいたいさ、小さい頃からずっと一緒にいたんだよ？他の子を好きになるなんてあり得ない。それこそわかりきってることじゃないか」

『…っ』

「…わかったら帰るよ。もう、疲れたからね」

『……』

「……早く準備しないとまたキスするよ」

『わっ、ま、待って！！』

「はいはい。待つから早く準備」

『あ、…萩っ、』

「んー？」

『ぁ…ありがと！』

「……やるねー」

『？、何が？』

「何でもない」




しりとり
…その笑顔は反則

(ねー、何が “やるねー” ？)
(ねーじゃないよ。帰るよ家)
(えー？教えてよ…んっ！)
(はい、俺の勝ち)



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