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 はっぴーでい!



「今年も年末は基地で過ごすんですよね」


言葉こそは非難めいてるが発言した本人は至って普通の顔をしている。
「年始やないから許せ」
一応謝ってみたがきょとんとされてしまった。

「おおっぴらに一緒に年越しできるのになんで?」
「そんな穏やかなモンやないやろ」

今年は気圧も落ち着き穏やかな天候と予報されているがあくまでも予報だ。
そんな天候だと余計に海に出る輩も増えてくる。
特に酔ったあげく海に落ちたなど通報された場合を想像するだけでゾッとする。

「一緒に仕事出来るじゃないですか」
ま、空振り出動は御免被りたいですけどね〜と軽い口調が空に融ける。
ちょっと意外な感じがした。

「言ってなかったですっけ?」
もう20代も後半な男だが不思議とこんな口調が似合ってるな、と関係ないことを考えていた。


「俺、今年も嶋本さんとレスキューに携わるっての目標だったんです」

何気ない言葉。何気ない顔。
だけどその目はいたく真面目だった。
嗚呼。この男はどうしてこんなときに真っ直ぐなんだろう。


「来期はわからんで」
ちょっと震えた胸を誤魔化すように茶化しておく。
「えー次も取って下さいよぅ!書類片付け早いでしょー?」
さっきの凛々しい目は途端に子犬のようになった。
「だいぶ大羽も使えるようになっとんで?」
うぅぅと唸る頭を撫でておく。

「俺の副隊長で居たいんなら実力ないとな」
ニヤリと笑ってみせればまた目が光る。

「上等じゃん」
言っとくけど俺出来るコですよ?お買得ですよと不敵な顔が笑う。


甘い言葉より己を誇る気概が愛しいときもある。
守るだけでなく。守られるだけでなく。
共に同じ道を志す同志として生きたい。


その同志が恋人ならばその道はどんなに険しくとも進んでいけるよ。



あなたが、お前がいれさえすれば日々は薔薇色なんだから。





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