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【キリンの生態とカクの話】
その症状が出た時、カクは自分の気が狂ったかと思った。普段女にしか抱かないような欲望を男にも抱くようになったのである。死にたい。悪魔の実を食べてから暫くの後に出た症状だ。原因は分かりきっているものの誰に相談できるはずもなくただただひとりで問題を抱え続けた結果、理由は意外なところから分かった。

「カクー！キリンってさ！キリンってさ！9割ホモなんだってな！お前も俺に胸キュンしちゃったりとかしてんじゃねぇかァー？？」

ギャハハハとジャブラと一緒になって馬鹿笑いをするアホ男を鋭い目付きで睨み付ける。「悪いけどお前の気持ちには応えられないんだ…」と芝居がかった動作で茶番を演じる奴に嵐脚を放てばギャアギャア言いながら蜘蛛の子を散らすように逃げていった。最悪じゃ。本当に。カクは小さく呟いて頭を抱える。よりにもよってあんな下世話なアホに劣情を抱いているなんて。我ながら趣味が悪すぎる。