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 備えろ期末テスト(1/4)



時は流れ6月最終週───…
期末テストまだ残すところ一週間を切っていた。



「全く勉強してねーー!!」



教室内では悲痛の叫びを漏らすものもちらほら。
ちなみにこの叫び声は上鳴で前回の中間テストの成績は21/21位。

隣では20/21位の芦戸が頭の裏で腕を組んで笑っていた。



「体育祭やら職場体験やらで全く勉強してねーー!」

「あっはっはっは」

「確かに」



そんな上鳴に同意するのは14/21位の常闇。
それを聞いて11/21位の甲田に対して12/21位の砂糖が声をかける。



「中間はまーー入学したてで範囲狭いし特に苦労なかったんだけどな───…」

「(コクコク)」

「行事が重なったのもあるけどやっぱ期末は中間と違って……」

「演習試験もあるのが辛えとこだよな」



足を組み肘をつきながら余裕の顔で言うのは…まさかの峰田。
あいつ中間では9/21位となかなかに良い成績をたたき出していて、そんな峰田に最下位組の上鳴と芦戸は悔しそうに言った。



「あんたは同族だと思ってた!」

「おまえみたいな奴はバカではじめて愛嬌出るんだろが…!どこに需要あんだよ…!!」

「世界かな」

「アシドさん、上鳴くん!が…頑張ろうよ!」



そんな2人に声をかける緑谷。
だが彼の成績は…



「やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね」



緑谷4/21位



「うむ!」



飯田2/21位



「普通に授業うけてりゃ赤点は出ねえだろ」



轟5/21位



「言葉には気をつけろ!!」



成績上位組の言葉は上鳴の心を抉るのには十分だったようだ。

そんな二人に手を差し伸べるのは1/21位、クラストップの八百万。



「お二人とも。座学なら私、お力添え出来るかもしれません」

「ヤオモモーーー!!!」

「演習のほうはからっきしでしょうけど…」



そう言って落ち込んでしまう。
確かに体育祭では目立った活躍こそなかったものの落ち込むほどの実力ではないと思うけど…?

そんな八百万に7/21位の耳郎、17/21位の瀬呂、8/21位の尾白が集まる。



「お二人じゃないけど…ウチもいいかな?2次関数ちょっと応用つまずいちゃってて……」

「え」

「わりィ俺も!八百万古文わかる?」

「え」

「俺も」

「……!!良いデストモ!!!」



八百万の周りに集まるクラスメイトとは裏腹に3/21位にも関わらず全く人が集まらない爆豪をみながら15/21位の切島がつぶやく。



「この人徳のさよ」

「俺もあるわ。てめェ教え殺したろか」

「おお!頼む!だけど俺よりもっと必要なのは…」

「……」



19/21位の俺こと水科に切島に視線を向けられる。
すると一部のみんなは中間の成績を知らなかったのか驚かれてしまった。



「おまえ中間やらかしてんな!上鳴と芦戸と同レベじゃん」

「授業ではちゃんと答えられてるイメージだから成績悪いの意外だわ…」



瀬呂と耳郎の言葉がぐさぐさと刺さる。
でも中間に関しては仕方ない。
だって……



「中間はLAST FANTASY 7のリメイク発売日だったんだ!そんなの勉強に集中出来るわけないだろ!!」

「まさかのゲーム!バカかよ!」

「うるせー!俺があの日をどれだけ待ち望んでたか…!」

「知るか。カスが」

「ハルがゲームやるの意外だわ。空いてる時間は特訓とかに当ててそうなイメージ」

「そこは半々。ゲームといえどものによっては状況判断力や動体視力を鍛えられるからな」



なんの言い訳だよと冷たい視線を向けられる中、意外にも轟や八百万は目をキラキラとさせながら俺の話に興味を持ってくれた。



「そうなのか。ゲームといっても侮れないな…」

「ハルさん!それはなんというタイトルですか!?」

「!ゲームといえども対CPUじゃなくてネットなら対人になるから常に相手の動きを考えながらこっちも立ち回らなくちゃいけない。ちなみに最近やってるのゲームはBPEXっていう───…」

「コラ!お前がそれらしく話すと轟と八百万が信じるからやめろ!!」

「「?」」





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