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 狼煙(1/4)



時は少し戻り、補習組が相澤に連れられて合宿所へ向かう場面へ。



「あぅぅ…私たちも肝試ししたかったぁ…」

「アメとムチっつったじゃん。アメは!?」

「世界一マズイアメと言われるサルミアッキでもいい…アメを下さい先生…」

「サルミアッキ旨いだろ」



5人の意見を一蹴し合宿所へと押し込む。



「今回の補習では非常時での立ち回り方を叩き込む。周りから遅れをとったっつう自覚を持たねえとどんどん差ァ開いてくぞ。広義の意味じゃこれもアメだ。ハッカ味の」

「ハッカは旨いですよ…」



補習が行われる部屋を開けるとそこにいたのはB組の担任のブラドキンクと物間の姿。
物間は五人を見るや否や、すごい形相で高笑いをした。



「あれぇおかしいなァ!!優秀なハズのA組ら赤点が5人も!?B組は一人だけだったのに!?おっかしいなァ!!!」

「どういうメンタルしんてんだおまえ!!」



おかれている状況に関わらず、目の敵であるA組を目の前にすると通常運転な物間に逆に感心しつつ、肝試しに行けないのを嘆くのも馬鹿らしいかと5人は席へつく。
ブラドキングと相澤が補習に関して話をしている時、急にマンダレイの個性“テレパス”により伝達がくる。

ざわつく教室内を一喝し、相澤とブラドキングはテレパスに耳を傾けると驚くべき内容が伝えられた。



《敵二名襲来!!他にも複数いる可能性アリ!動ける者は直ちに施設へ!!会敵しても決して交戦せず撤退を!!》

「は……!?何で敵が───…」

「ブラド。ここ頼んだ。俺は生徒の保護に出る」

「バレないんじゃなかった!!?」



慌てて教室を出ていく相澤の脳裏に嫌な考えがよぎる。
だがそれが現実に起こることを予期させるように激しく燃え、黒煙が上がる森が目の前に広がり、思わずマズイなと呟く。
そんな相澤の隣に立つ一人の男。



「心配が先に立ったかイレイザーヘッド」



その正体は敵連合の荼毘。
それに気づき、相澤がブラドキングへ知らせる前に伸ばしていた左手から激しい青い炎を放出させた。



「邪魔はよしてくれよプロヒーロー。用があるのはおまえらじゃない」





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