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 戦って勝つか、逃げて勝つか(1/6)



「さて、ここが我々の戦うステージだ」



バスから降りて目の前に広がるのはビルの並ぶ市街地を模した演習場。
もしかしてチームによっては演習場のモチーフも違ってくるのかな?

いよいよ演習試験が始まるといった雰囲気に包まれる中、緑谷は不安そうにオールマイトに声をかける。



「あの…戦いって、まさかオールマイトを倒すとかじゃないですよね…?どうあがいてもムリだし…!」

「消極的なせっかちさんめ!ちゃんと今から説明する」



制限時間は30分。
その間の俺たちの目的は手錠のような形を模した「ハンドカフスをオールマイトにかける」もしくは「三人のうち二人がこのステージから脱出」すること。

このルールだけ聞いていると戦闘訓練と似ているように感じるけど今回は“オールマイト”という明らかに俺たちの格上を相手にしなければならない。



「今回は極めて実践に近い状況での試験。私たちを敵そのものと考えてくれ。会敵したと仮定し、そこで戦い勝てるならそれで良し。だが実力差が大きすぎる場合は逃げて応援を呼んだ方が賢明」

「戦って勝つか、逃げて勝つか…」

「そう!君らの判断力が試される!けどこんなルール逃げの一択じゃね!?って思っちゃいますよね」

「(何も無ければそりゃそうだ…だけど?)」

「そこで私達、サポート科にこんなの作ってもらいました!!超圧縮おーもーりー!!!」



若干ドラ〇もんのひみつ道具っぽく紹介してきたところにはあえて触れず…。
それは腕輪ような形になっており、腕に2つずつ、足に1つずつ装着することで体重の約半分の重量を装着している状況らしい。

古典的ではあるけど確かに動き辛いし体力も削られる。



「ちなみにデザインコンペで発目少女のが採用されたぞ」

「へー!1年生なのにすげー…」

「戦闘を視野に入れさせる為か。ナメてんな」

「どうかな!」

「…………」

「あと君達のチームはもう一つ追加ルールがある。他のチームのスタート位置は二人同じところ。だが、今回は三人だから一人だけ別の場所からのスタートとする。合流するも良し、潜伏して隙をつくのも一足先に脱出するのも良しだ」



その時、緑谷と爆豪からの熱い視線を感じる。
二人はバスの中でも察した通りかなり険悪な関係。
一人スタートか俺とペアを組んでスタートしたいって思う気持ちは分かるけど……。



「オールマイト。各々の開始位置はそっちで決まってるの?」

「いや。君達で決めたら良い」

「なら───俺が一人でスタートするわ」

「「!!?」」

「(そう来たか───!)」





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