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 誰が何と言おうと(1/4)



ハルと爆豪の救出には緑谷、切島、轟、八百万、そして飯田の5人で向かうことに。
病院を背に歩みを進めながら飯田は緑谷に頭を下げた。



「暴力を振るってしまった事…陳謝する。ごめん…」

「本当ですわ飯田さん。同行する理由に対し説得力が欠けてしまいます」

「大丈夫だよ。気にしてないから」



笑う緑谷に飯田は少し表情をやわらげるがすぐに真剣な面持ちへと戻ると言った。



「俺は…君たちの行動に納得いかないからこそ同行する。少しでも戦闘の可能性を匂わせれば即座に引き戻すからな…!言わば監視者…そう!ウオッチマン!」

「ウオッチマン飯田……」

「私もですわ。これはプロの仕事。傍から見ればあなた方が出張る必要性は一切ありません。しかしお気持ちがよくわかるからこその妥協案とのことお忘れなきよう」



口ではそう言っていたが八百万は戦闘皆無の救出劇は現実的ではないことを悟っていた。
冷静になれていないことに気づけてない切島たちにあえて現場を見せることで実行の難しさ、自分たちの非現実的な発想に気づいてもらえるハズと密かに考えていた。



「いいですか?発信機の示した座標は“神奈川県横浜市神野区”。長野からの出発ですので約二時間…10時頃の到着です」



病院から駅へ移動し新幹線へと五人は乗り込む。
そしてそこで少し遅めの晩ご飯を食べ、腹ごしらえをしながら緑谷はこの出発の詳細などを他のみんなにも伝えているのかと問いかけるとそれに対して轟が口を開く。



「ああ。言ったら余計止められたけどな」

「あの後、麗日がダメ押しでキチい事言ってくれたぜ」

「麗日さんが?」




「爆豪くんきっと…みんなに救けられんの屈辱なんと違うんかな…」




ワープに飲まれる寸前に来るなと爆豪に拒まれた事を思い出す。
ましてや普段から敵視されている緑谷に救けられるなんて麗日の言う通り爆豪からすれば屈辱そのものかもしれない。

切島に続いて轟が口を開く。



「俺も蛙水から言われた」

「蛙水からも?」




「ここで無謀な行動に出るのは、そうならないように無茶してくれたハルちゃんの気持ちを無視することになるわ…」




「………はあ…分かってたけどキチいな…」

「一応聞いとく。俺たちのやろうとしてる事は誰からも認められねえエゴってヤツだ。引き返すならまだ間に合うぞ」

「迷うくらいならそもそも言わねえ!あいつらは敵のいいようにされていいタマじゃねえんだ…!」

「僕は…」



不意にお母さんと電話した時のことが脳裏によぎる。




「お母さん…僕、オールマイトから全部もらった。そのオールマイトが見初めてくれた以上……」




「後戻りなんて出来ない」





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