明日晴れるかな(指輪編) | ナノ

 晴の守護者戦(1/7)



「晴れの守護者同士の対決……ってことは…」



ヴァリアー側はルッスーリア、ツナ側は了平に視線が集まる。
当の本人たちは互いに姿を確認し合い、対決に向けて闘志を燃やしていた。

建物の上にいたチェルベッロの二人とヴァリアー達は葵達のいる地面に降り立つ。



「よくお集まりいただきました」

「それでは只今より後継者の座を賭け、リング争奪戦を開始します」



あちらをご確認ください、とチェルベッロが指を指す。
その方向へ視線を移した瞬間、ライトが照らされて高い柵で囲われたボクシングのリングが姿を現す。



「晴れの守護者の勝負のために我々が用意した特設リングです」

「今回は晴れの守護者の特性を考慮したリング、としましたがリング争奪戦では各勝負事に特別な戦闘エリアを設置いたします」

「(“特別”ってことはあのリングにも何か仕掛けがあるのか…?)」



そう思いながら葵はじっと真剣な眼差しでリングを見つめた。

いよいよ始まるリング争奪戦に不安を漏らす者、さっさと始めようと余裕を見せる者、と同じ空間内に様々な思いが入り混じりあっていた。
そしてどうやらヴァリアー側はXANXUSが欠席らしく、せっかくの晴れ舞台を見て貰えないとルッスーリアは残念そうに言葉を零す。
だがくるっと葵の方に身体を向けると満面の笑みで手を振った。



「葵〜〜〜!頑張っちゃうから私の活躍ちゃんと目に焼き付けておいてねん」

「う、うん」



いきなりの呼び掛けと余りの迫力に葵は圧倒されながらも頷く。
そんな様子を見ていた獄寺は額に青筋を浮かべながら葵の顔を両手で挟むとルッスーリアから了平へと向きを変えさせた。



「敵に答えんな!テメェはこっち側だろ!!」

「葵!オレの活躍こそ目に焼き付けとけ!」

「は、はひ…(上手く喋れない…)」

「獄寺まーまー」

「(そういえば葵はヴァリアーの奴と知り合いなんだ。まあ同じボンゴレだし変な話じゃないか…)」



チェルベッロに促され、リングに向かおうとする了平を見ながら山本は言った。



「なあ、ツナ。円陣とか組まねーの?」

「あぁ!?」

「え?」

「えんじん?」

「!!そいつは燃えるな!!一度やってみたかったんだ!!



了平は嬉しそうに両手を広げながら振り返る。
一方のツナと獄寺は顔を赤らめながら恥ずかしいと拒否する。
葵はと言うと円陣にピンと来ないのか頭に疑問符を浮かべながらも了平の喜ぶ顔を見てやろうよと乗り気な様子。



「まーまー!」

「「!」」



結局山本が半ば強引にツナと獄寺の肩を組んで引き寄せると5人で円陣を組む。




了平ーーッファイッ!!

オー!!

「!(おお!!)」

「おーー…」

「……」



初めての円陣に戸惑いつつも楽しそうにニコニコと葵は笑う。
そんな葵を見て山本は小さく笑った。



よーし!極限力がみなぎってきたぞ!

「(ったくこれだから体育会系は…)」

「(自分で了平ファイって言ったよ…)」

「(なんかぐああって熱くなって良いな!)」





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