明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 標的11 未来からの来客(1/4)



ある日の休日。
ツナの部屋でリボーンと葵の2人がかりで宿題を教えていた。

ツナにしては珍しくシャーペンのもつ手の動きが止まることなく、集中することができていたが、物事がスムーズに進んでいるときには必ず邪魔者が現れる。
リボーン曰く、これが沢田家流らしい。



「ねーねー。葵ーオレっちと遊ぼうよー」



今日もまた現れた。
フゥ太のうざいマフィアランキング第1位のランボが。

突然現れたランボにリボーンはピクリと反応する。
そんなことはお構いなしにランボは葵に飛びつくと駄々をこねながら遊ぼうと誘っている。
だが、ツナと勉強中のため、葵はランボの頭を撫でると優しい口調でこう言う。



「んー…ランボ、ごめんな。今はツナと勉強してるからイーピンと遊んで待っててくれるかな?」

「イーピンはママンやフゥ太と一緒に買い物行ってていないもんねー!」

「そうなのか?ビアンキは?」

「えっとね。なんか煙モクモクだった」



ランボの説明にツナと葵は首を傾げていると、ビアンキがボールと泡立て器を持ち部屋にやってきた。
手に持つボールからは何やら有毒そうな煙が上がっていて、それを見たツナはガーンとなった。



「(確かに煙モクモクーー!!)」

「うふふ。リボーン、葵。ケーキを焼こうと思ってるんだけど生クリームとチョコクリームどっちがいいかしら?」



うっとりとした表情でビアンキは2人に尋ねる。
葵は少し苦笑いを浮かべていたが、リボーンは動じた様子もなく答える。



「オレはチョコがいいぞ」

「わかったわ。葵もそれで良いわね?」

「う、うん」

「ガハハハ!ケーキ、ケーキ!」

「期待しないで待っとくぞ(小声)」

「?何か言ったかしらリボーン」

「なんでもねーぞ」



するとビアンキはケーキ作りを再開させるべく、軽い足取りで台所へと降りていった。

そんなビアンキが去ってからツナは大きなため息を吐くと、すかさず頭にリボーンから容赦ない蹴りを喰らわせられた。
いでっと声を漏らすと、涙目になりつつ蹴られた頭をさすりながらリボーンを睨む。



「早くするぞ、ツナ」

「ったく……」



そして改めて勉強を再開しようとした時、ランボが葵の腕に引っ付くと思いっきり引っ張りながらまた駄々をこね始めた。



「葵はランボさんと一緒に遊ぶから勉強なんてしないもんねーだ!!」

「あはは、どうしたもんかな…」

「…………」



リボーンはそんなランボをウザそうに見ながら銃の引き金を引く。
それに気づいた葵は苦笑いを浮かべながら慌ててリボーンを制止した。



「じゃあ、オレはランボの面倒みるから…リボーン。ツナのことお願いしても良い?」

「え……(葵がいないといつもの無茶苦茶な勉強に戻るんだけど…!!)」

「そーだな。葵がいないのは残念だが、アホ牛がいるとウザすぎて捗りやしない」

「やったー!へへーんだ!ザマーミロリボーン!!」

「…………」




ランボに煽られてリボーンのこめかみが一瞬動いたが、葵はリボーンに向かってニッと笑いかけるとランボを連れてリビングへと場所を移動した。
嬉しそうに階段を降りていくランボの後ろ姿を見て、葵はまだまだ子供なんだなとほっこりした気持ちに襲われた。





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