明日晴れるかな(日常編) | ナノ

 標的01 ボンゴレ10代目(1/3)



たくさんの人が行き交う街で、一人の幼い少年が蹲って嗚咽を漏らしながら泣いていた。
それ気づいた同い年くらいの少女が駆け寄り肩を叩く。
突然の事で驚きながらも顔を上げると、少年に向かって少女はニコッと笑いかけた。



「どうしたの?迷子?」

「誰?」

「私は――――」



少女が名前を名乗った後、少年も続けて名乗った。
お互いの名前がわかったことで、少年の警戒心も弱まったようだ。



「綺麗……」

「え?」

「瞳。空みたい」



透き通った少女の青い目を少年は見つめる。
そしてハッと我に返り恥ずかしながらもごめんと謝る。
そんな少年に少女は優しく笑いかけてながら一言ありがとう、と告げた。



「一緒に行こう」



少女がそう言いながら差し出した手を、戸惑いながらも少年は掴み立ち上がる。
そして小さな二つの影はゆっくりと人混みへと溶け込んでいった。







「……ん……っ」



着陸を告げるアナウンスによって一人の少年が目を覚ます。
彼の名前は葵山下。

ボンゴレファミリー9代目ボスからの命で、イタリアから東京へと向かっていたのだ。

フライト時間約12時間と長く、強ばった体を伸ばしながら窓に目をやる。
上空から見えるイタリアとは違う街並みに葵
は興味をひかれ眺めていた。



「(日本に来るのは久々だ――懐かしいなあ……)」



しかし今回はただの観光ではなく、9代目の命で日本に訪れている。
そのせいか少しだけ緊張している自分がいて……そんな気持ちを落ち着けるために深呼吸をする。

そして今回のキーパーソンとなるある人物の写真を取り出す。



「(沢田……綱吉君、か――仲良く出来たら良いな)」






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