照美くん。口から歩いていったわたしのことばはきっと、照美くんの耳にはふれることなく空気になってとけていってしまったのだろう。すうすうときもちよさそうに机にあたまをあずける照美くんは、おんなのこよりもきれいなおとこのこだ。クリームでできたようなすべすべの肌とか、くるんときれいにまるまったながい睫毛だとか、金色でつやつやのあまいにおいがするかみのけだとか。もしほんとうに神さまがいたなら、照美くんみたいなひとなんだろうなあ。教室の窓のカーテンからすこしはいってくるお日さまの光が照美くんのかみのけに当たって、きらきらひかる。照美くんに手をのばしてもすりぬけちゃうんじゃあないかってくらいにきれいで、照美くんはもしかすると、ほんとうに神さまなのかなあ、とか。わたしがなにもはいっていないからっぽの脳みそでかんがえていると、ゆらりと照美くんの金色がゆれる。おこしてしまったのだろうか。照美くんのかおを覗きこんでみる。ぼんやり目蓋をひらいた照美くんは、どうやらまだねむたいらしい。伏せた睫毛がきれいだなあ。
じいっと見つめてみると、照美くんはやわらかくわらってわたしのあたまを撫でた。「見過ぎだよ」「だってきれいだから」「そうかな」「うん、きれい」わたしがへへへとわらうと、何できみが照れるんだいとまた照美くんはわたしのあたまを撫でる。こんなにもきれいでやさしくて格好いいのだから、きっと照美くんは神さまのこどもなのだろう。照美くんはいつも、僕は神さまなんかじゃあないんだというけれど、わたしのなかの神さまははじめからきっとこれからも、照美くんだ。わたしをしばらく見つめてしあわせそうにほほえんだわたしの神さまは、わたしのあたまに手を添えてから目蓋にくちをくっつけた。ああ、しあわせ。



地球儀の回し方
Apr 17

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