「あのー…、委員長?」 「何かしら」 「えっと、」 僕はどうして君に押し倒されているのかな。なんて、言ってもいいのだろうか。 事の発端はつい数分前。図書室から借りた本を片手に教室に戻った僕は、ちょうど帰り支度をしている委員長に会った。「今、帰りなの?お疲れ様」って言って、本を鞄に入れて帰ろうとした時だった。ぐいっと腕を引っ張られた感覚があって、気付いたら床に押し倒されていた。いつもとは違う、言い表せないような微笑を浮かべた、委員長に。 「あ、のさ、…僕、帰りたいんだけど…」 「そう、帰ればいいじゃない」 「いやいやいや」 君が退けてくれないと困るんだけど! 「…ね」 「え?」 「同じね、私達」 「それって、どういう意味?」 そう尋ねると彼女は今にも泣きそうな顔になって。あ、やばい。これは聞いちゃいけないことだと、すぐさま気付いたのだけど。既に言葉は音になって、彼女の耳に届いてしまった。ごめん、と言おうとした瞬間、柔らかい何かが唇に触れる。それが彼女のニチケイトの唇であると理解したのは、離れてからで。 「邪魔者同士ってこと」 「………」 「あの二人はとても強い絆で結ばれている。私達は絶対に立ち入れない、踏み込めない領域がね。分かるでしょう、ねぇ、銀河美少年?」 次に瞼を開いた時、瞳に映った彼女の表情は、 |