「知ってたかい渋谷」


相対するものが混じりあえばどうなるのかを。
その問いに渋谷は頭に疑問符を浮かべながら、首を傾げた。誰も分からないだろう、そんな問いに答えられるはずがない。否、自分みたいな人にだったら分かるかな。相反するものは世界に数多ある。例えば善と悪、主観的な人と客観的な人、そして望む者と望まない者。


「コンラッドが言ってた、太陽と月もか?」
「そうだよ」


この世界に一つなんて無い。必ずモノがあれば、その対となるモノがあるんだ。さて最初の問題です。それらが混じりあえばどうなると思うかい?


「どうって…、混ざらなくないか?」
「不正解だね」


トン、と渋谷を床に押し倒す。それと同時に小さな呻き声を渋谷は発した。きっと頭でも打ったのだろう。何事かと驚いた眼差しで見る彼に、僕はにこりと微笑んだ。その瞬間、渋谷の瞳が揺れた。何に緊張しているのかな?そんな問いを投げつける。答えは知っているけれど。


「答え、教えてあげるよ渋谷」
「……なに?」


正解は、無だよ。

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