そもそも俺はいつ死ぬか分からない航海を自分の意思で決めた訳だし、それに参加してくれた仲間に悪いけど、こういう結末も予想してた。ただ一つ残念なことは世界中をまだ知り尽くしてないことだな。何処までも広がる海に終わりはないし、ラフテルだって俺にとっては海賊王になるための終着点だったけど、冒険はまだまだ続くんだ。だから後悔はないって言えないけど。勝手に決断して置いて来たみんなにも謝ってないし。あの世で土下座しなきゃな。にしても結構幸せな人生送ってたなあ。夢も約束もちゃんと叶えられた。命を懸けてくれる仲間もいた。俺さ、じいちゃんとコビーの次に、アンタが気に入ってたぜ。俺をずっと追いかけてくるんだもん。その能力嫌いだけど、面白いよな。煙になれるなら、何処までも行けるだろ。誰にも捕まらねぇし。まあ一番は俺のゴムゴムの実だけど。


「あの世に行きゃ、誰にも捕まらねぇよ」
「ししし、そうだな」


二代目海賊王モンキー・D・ルフィは牢獄の中で笑みを絶やさなかった。ローグタウンの時と同様に。自らの死が間近に迫っているにも関わらず。毎日様子を見に来るスモーカーと談笑していた。他愛もない話で盛り上がり、傍から見ればただの友人のようであった。敵対し合っていた者同士がこうして笑いあうなど、普通はあり得ない話だ。しかもその犯罪者を捕まえた張本人だというのに。度々訪れるかつて海賊王と関わった者達と、大勢で酒を酌み交わす。もちろん彼は鉄格子の中で。
そしてそれは処刑される前日も行われていた。


「じゃあな、ケムリン」
「今更だがテメーを捕まえたことを後悔したぜ」
「そりゃあ残念だったな、俺もお前に捕まったことを後悔した!」


こうして二代目海賊王は晴天の中、処刑された。


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スモーカーと仲良しな海賊王っていいよねーって話だったはずが、明るい死ねたになりました

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