▼ 愛して、囲って、閉じ込めるA
俺の弟は頭も顔もトップクラス。中卒、ニート、引きこもりで出来が悪い俺とは大違い。告白だってしょっちゅうされているし、弟のことを好きな女の子が家に押しかけてくることだってある。
しかし弟は、そんな自身のチートすぎるスペックを鼻にかけることは一切なく。どんなときでも努力を怠ることはない。一体どれだけ完璧なんだと問いただしたくなるだろう。俺だってそう思う。
現に今も彼は、もうすぐ期末テストだからと自室にこもって勉強をしている。
「っひ、う、あ…っ」
それに対して俺は、暗い部屋の中で情けない声をあげるばかりだ。ジンジンと熱を持つお尻の穴の中に、ちゅぷちゅぷ指を出入りさせる。
…隆幸のテストなんか、さっさと終わってしまえばいいのに。早くいつもみたいに俺のこと愛してるって言って、抱きしめて、どろどろに溶かしてほしい。
「んっんっ、あ、足りない、足りないよぉ…」
指なんかじゃ、満足できない。だって俺のこの穴は、隆幸のためにあるのだ。隆幸の形に合わせてすっかり開発されてしまったのだ。細い自分の指ではうまく快感を得ることもできない。
中途半端な刺激への物足りなさに、一人でぐずぐずと泣いてしまう俺。ぽろぽろ涙があふれてくる。
「兄さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
コンコン、と軽いノックの後に隆幸が数学のワークを持って入ってきた。ベッドの上で尻の穴を弄りまわして泣いている俺と目が合う。
「…え?」
「あう、たか、たかゆきぃ、おれ、おれ…っ」
隆幸の勉強の邪魔をしてはいけない。頭では分かっているのに、指が止まらない。あぁ、隆幸、隆幸隆幸隆幸。
「…な、に…して…」
「も、欲し、たかゆきの、いれてぇぇっ」
「っ」
ばさりとワークを投げ捨てた隆幸が、俺の上に跨った。その瞳が熱を帯びているのが読み取れて、期待に身体が震える。
「兄さん…俺が勉強しているときに、兄さんはこんなやらしいことしてたの?」
「ごめ、ごめんなさぁ…ッ」
「俺の名前呼んで、自分でお尻いじって、…っ本当、可愛い」
「んやぁぁぁぁっ、いきっ、いきなりィ…ッ」
すでにどろどろだった穴に、一気に突っ込まれた。あまりの衝撃に頭が真っ白になって、ビクビクと勝手に背筋が伸びる。
「トコロテンとかやばすぎでしょ…っ締まる」
「いぎっ、あぁぁんっ、きもち、きもちいいよぉッ」
「はぁ、っく、兄さん、寂し、かった…?」
「うぁン、さびっ、さびしかったぁ、たかゆきがいなくて、さびしかったよ、ひあっ」
寂しかったよ。だから自分でこんな風にみっともなく自慰行為に走ったんだ。それでも結局足りなくて隆幸じゃなきゃ駄目なんて…馬鹿じゃないのか。隆幸の邪魔をする権利なんて、俺みたいな人間にあるはずがないのに。
ごめんなさいごめんなさいと繰り返す俺の口を、隆幸は荒々しく奪う。
「あぁ…嬉しいよ兄さん…っ夢みたいだ」
兄さんが俺を求めてくれるなんて、と恍惚の表情で腰を抜き差しする隆幸。ぐちゅぐちゅごりごり内壁を抉られ、髪を振り乱して叫んだ。
「あはぁぁぁぁッ、もっと、そこ、そこイイ!」
「…兄さ…っナカ、ぐねぐねしてる…うぁ、出そう」
「出して、出してぇ、おれのなか、いっぱいちょうらい…ッ」
「んくっ、エロいってあぁもう…出るッ」
「ひぃっ、うぁぁぁっ、なか、なかあついぃぃっ」
びゅるびゅると思いっきり中で精液を出され、嬉しくなって目の前の身体に抱き着く。俺、俺…これがずっと欲しかったんだ。
「あぁッ、待ってぇ!」
荒い息でペニスを抜こうとする隆幸の腰を、足を巻き付けて引き止めた。
「やらぁ!抜かないでっ、抜いちゃやだぁぁぁっ」
「ちょっ」
「足りないっ!いつもみたいにもっとしてよぉぉ…ひぐっ」
カクカク馬鹿みたいに腰を動かし、キスを強請る。
「…兄さん」
「んっ、ちゅ、はふ、たかゆきぃ」
そんな可愛いこと言われたら。
「俺…兄さんのこと壊すかも」
「あうっ」
もう一度深く深く突き入れられる。ぐぷっと精液がいやらしい音をたてるのを聞きながら、俺は涙を流して笑った。
「たかゆき、たかゆき、愛してる」
だからお前になら壊されてもいいよ。