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▼ エイプリルフール

お題:「ほかに好きな人ができた」

*日富美と瑞貴の場合

瑞「ちょっと話あるんだけど」
ひ「…なに」
瑞「…」
ひ「さっさと言えよ」
瑞「…ごめん」
ひ「は?」
瑞「ほ、ほかに、好きな奴…できた」
ひ「…」
瑞「…」
ひ「…そんで、瑞貴はどうしたいの」
瑞「俺には何も決める権利ないし…ひふみの好きなようにしてくれていいから」
ひ「…」
瑞「…本当に、ごめん…」
ひ「…出かけてくる」
瑞「え、ど、どこに?」
ひ「樹海」
瑞「!?」
ひ「さよなら」
瑞「わーっ!!待て!!待て!!嘘!!エイプリルフール!!」
ひ「…嘘?」
瑞「そう!!ほかに好きな奴とかいねーから!!」
ひ「…」
瑞「ひ、ひふみさん…?」
ひ「…良かった、心臓止まるかと…」
瑞「ごめん俺が全面的に悪かった!!!!」

瑞貴がいなくなると死んじゃうふみくん。


*律と亮一の場合

亮「律、ちょっと」
律「はい」
亮「実に申し上げにくい話なんだが」
律「…うん?」
亮「ほかに好きな人ができた、と言ったらどうする?」
律「…」
亮「…」
律「…亮一さん」
亮「ん?」
律「実は僕もなんです」
亮「え?」
律「僕たち、さよならする時期なのかもしれないね」
亮「ちょ、ちょっと待て」
律「今までありがとうございました」
亮「いや、ちが…」
律「その人と幸せになってね。誰よりも亮一さんの幸せを祈ってるから」
亮「律、あの」
律「最後に一つだけ言ってもいい?」
亮「俺の話を…」
律「亮一さん、嘘をつくときに眉をひそめる癖あるの知ってる?」
亮「え…」
律「そういうわかりやすいとこ、可愛くて結構好きですよ」

律の方が一枚上手でした。


*藤城と九条の場合

九「センセー、今日の夜暇?」
藤「なんで」
九「いや電話してもいいかなー…とか」
藤「駄目に決まってるだろ」
九「いーじゃん電話くらい!」
藤「仮に暇だったとしてもお前からの電話には出ない」
九「ひでぇ!!」
藤「つーか俺今度結婚するんだから、そういうのもうやめろよ」
九「はぁ!?なん…え?今なんつった?」
藤「結婚するから、もうちょっかいかけてくんなって言ってんだよ」
九「け…けっこん?」
藤「あぁ」
九「な、なんでだよ!なんで勝手に結婚なんかすんだよ!」
藤「お前に関係ない」
九「あるし!!ちょーあるし!!」
藤「ねぇし」
九「あーもうふざけんなよぉ…なんだよ結婚て…死ねくそ…」ぐすっ
藤「泣くとか馬鹿じゃねぇの」
九「泣くわこんなん!!アンタ俺の気持ちナメてんのかよ!!」
藤「…」
九「死ねクソ教師…ぜってー結婚なんかできないと思ってたのに…」
藤「…その通りだけど」
九「は?」
藤「エイプリルフールだっつの。そんくらい分かれよ。だからお前は馬鹿だって言われるんだこの単細胞」
九「はぁ!?意味わかんねー!!」

ちょっとだけ良心が痛んだらしい藤城先生。照れ隠し(?)で理不尽です。


*ひかると聡太郎の場合

ひ「大事なお話があります」
聡「え?」
ひ「…ほかに好きな人ができました」
聡「…」
ひ「ごめん…本当に、ごめんね…」
聡「…別に、謝らなくていいだろ」
ひ「でも、俺が全部悪いから…」
聡「人の気持ちはどうしようもないし、自分にだってどうしようもできない部分もある」
ひ「聡太郎…」
聡「じゃあ、別れるって方向でいいんだな?」
ひ「…う、うん…でも聡太郎はそれでいいの?」
聡「いいもなにも、そうするしかないだろ」
ひ「でも」
聡「でもじゃなくて…」ぼろっ
ひ「え」
聡「あ」
ひ「そ、そーちゃん、な、泣いてるの…?」
聡「…っ」
ひ「あの…」
聡「し、仕方ないだろっ、お、俺はひかるのこと、まだ好きなんだから…」
ひ「…ごっ、ごめんねぇぇぇぇ!!ウソですぅぅぅぅ!!」
聡「は…?」
ひ「大好き!好き好き!超愛してる!別れるとか考えられない!」
聡「なんなんだよお前は…」

振り回されるそーちゃん。


*新太と傑の場合

傑「あのですね」
新「どうしたのそんなかしこまって」
傑「あのね、新太にね、言いたいことがあって」
新「言いたいこと?」
傑「うん…」
新「…あんまりいい話じゃない?」
傑「そ、それは…」
新「待って。心の準備する」
傑「は、はい。どうぞ」
新「…」
傑「…」
新「…」
傑「…」
新「…」
傑「…あの、新太…?」
新「うん…」
傑「も、もう大丈夫?」
新「うん…でも聞く前に一個だけ」
傑「なぁに?」
新「…俺のこと嫌いになってもいいから、側にはいてね」
傑「あぁもうごめんなさい!大好きだから安心して!」

傑の負け。


*望と伊原の場合

伊「坊ちゃん、本日をもって私は西園寺から出ていくことになりました」
望「…すまないがもう一度言ってくれないか」
伊「ですから、私は貴方の執事ではなくなると…」
望「駄目だ。そんなこと許さない」
伊「申し訳ございません。もう決めたことなのです」
望「何故僕の側から離れようとする?」
伊「…他に、好きな人ができてしまいました」
望「…」
伊「ごめんなさい…」
望「…なのか」
伊「え?」
望「お前はその人間と一緒にいて、幸せなのか?」
伊「は、はい」
望「ならいい。僕がとやかく言えることではない」
伊「坊ちゃん…」
望「…なんて言うと思ったか!!許さん!!許さんぞ!!お前が誰を好きだろうと関係ない!!お前は一生僕のものだ!!」
伊「…はいっ」にこにこ
望「!?」

望には所有物扱いされてもいいと思っている伊原。


*依人とスイの場合

依「スイちゃん、ごめんなさい」
ス「え?」
依「ほかに好きな人ができました」
ス「…誰?」
依「…言っていいの?」
ス「相手の名前も言わずに別れるつもり?」
依「か、」
ス「か?」
依「カイです…」
ス「…」
依「カイとはずっと長い間親友だし、あんなに気が合う奴ほかにはいないと思うし」
ス「…うん」
依「ああ見えて優しいとこあるし、それになにより…」
ス「なにより?」
依「か…っ、か、かっこいいし…ぶふ…っ」
ス「何笑ってるの!!」
カ「おい依人。自分でウケてちゃ意味ねーだろ。ちゃんと最後まで真面目にやれよ」←隠れて聞いてた
依「だぁってさぁ…カイと俺が付き合うとか…気持ち悪すぎでしょ…ふふふっ」
ス「…どういうこと?」
カ「お前なぁ、今日が何日かくらい覚えとけよ」
ス「…ひどい!騙したんだ!」
依「いったたたた!俺じゃない!言いだしっぺはカイだから!!」
ス「実行した時点で依くんも同罪!!」

悪ノリしてスイを本気で怒らせるバカ二人。




やっつけエイプリルフールネタでした。
午前中には間に合いませんでしたが…。

2015.4.1


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