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▼ 恋人の日

*日富美と瑞貴の場合

ひ「なぁ」
瑞「んー?」
ひ「お前、俺にチョコくれないの?」
瑞「自分でとってこいよ。戸棚にあるだろ」
ひ「…買ってんの?」
瑞「この間おいしそうなの見つけたからな。安かったし」
ひ「ふーん…」

ひ「おい瑞貴。ふざけんなよ」
瑞「は?」
ひ「まさかこの板チョコがチョコなんて言わないよな」
瑞「板チョコなんだからチョコだろ。お前それポテチにでも見えんの?」
ひ「バレンタイン」
瑞「はぁ?」
ひ「俺が欲しいのはバレンタインのチョコなんだけど」
瑞「あ…そっか今日14日…ってなんで俺がやる側にならなきゃいけんのじゃ!!」
ひ「じゃあ俺がやるっつったらくれる?」
瑞「そういう問題じゃ…つかそんなに欲しいわけ?」
ひ「別に。もういい」
瑞「わー!!待て待て拗ねるな!お前拗ねたら面倒くせーんだよ!分かった!明日買ってくるから!」
ひ「…」
瑞「機嫌直せって!な?な?」
ひ「…甘すぎるのは嫌だ。あと量もいらない」
瑞「はいはい分かりましたよー」

我侭な恋人に振り回される瑞貴。


*律と亮一の場合

亮「好きなだけ食べていいぞ」
律「…なんです、これは」
亮「もらった。甘いものは普通に好きだが、さすがに一人で食べきれる量じゃないからな」
律「…こんなに大量のチョコをもらった人、初めて見た」
亮「まぁ大半は義理だろう」
律「(それはない)」
亮「どうした、急に黙り込んで」
律「いえ何でも…こっちのは手作りですね」
亮「あ、それは俺が食べるから置いておいてくれ」
律「分かりました」
亮「一応俺宛てのものだからな。好意は受け取れないにせよ、折角心をこめて作ってくれたその気持ちだけでも尊重したい」
律「…僕、亮一さんのそういうとこ好きだなぁ」
亮「そういうとこって?」
律「人の気持ちを大切にするとこ」
亮「好きな人に好きと伝えることがどんなにすごいことか、身をもって知ったからな」
律「僕の話?」
亮「君以外に誰がいるんだ」
律「…あの」
亮「ん?」
律「あの、僕…も、チョコ作ってきたんで、後で渡しますね」
亮「…今日はチョコレートプレイでもするか」
律「それはいやです」

忘れがちですが亮一はイケメン設定です。


*藤城と九条の場合

九「おいコラ、出せ」
藤「…は?」
九「ふざけんな。てめー今日女子からチョコもらってただろうが」
藤「お前に関係ないだろ」
九「甘いもの嫌いなくせにへらへらしてんじゃねーよ!!断れよ!!」
藤「嫉妬か。鬱陶しいな」
九「鬱陶しくて悪かったな!いいからもらったやつ出せっつってんの!」
藤「もう食った」
九「はぁ!?なんでいっつも食わねーのに今日は食ってんだよ!バレンタインか!バレンタインだからか!」
藤「あーもううっせぇ。帰れ」
九「…お、俺があげたやつも、食ってくれんの」
藤「あ?」
九「だっかっら!俺が今あんたにチョコあげたら、それも食ってくれんのかって聞いてんだよ!」
藤「わざわざバレンタイン用意したわけ?女かよ」
九「うるせぇな!!!」
藤「ん」
九「へ」
藤「用意してんだろ?出せよ。食ってやるから」
九「ま…まじで?」
藤「早く」
九「…あ、あの、じゃあこれ…っんん!」
藤「はい。今のキスお返しな」
九「て、てめ…っちゃんと物で返せよ!」

藤城はデレてないつもりです。


*ひかると聡太郎の場合

ひ「そーちゃん!おはよう今日もかわい…」
聡「…やる」
ひ「え」
聡「あ、味は保証しないからな!」
ひ「味って…これ」
聡「どうせ学校行ったらお前は女の子たちからいっぱいもらうだろうし…それと比べればおいしくないと思うし…第一お菓子作りなんかしたことないし…」
ひ「そ、そーたろ…」
聡「だけど!これだけは言っとく!今日お前に一番最初にチョコを渡したのは俺だからな!」
ひ「…」
聡「…まずかったら捨ててもいい」
ひ「何言ってんの!?」
聡「うわ、急にでかい声を出すな!」
ひ「捨てるわけないじゃん!!ってかおいしいに決まってるじゃん!!」
聡「そ、そんなの分かんないだろ」
ひ「うわーうわーもうどうしようほんっっと嬉しい…大事にする」
聡「するな!食え!」
ひ「もったいなくて食べらんないよ…」
聡「…」
ひ「ありがと、聡太郎。大好き」
聡「…どーいたしまして」

ひ「…えっと、このチョコペンで描かれた絵は…?」
聡「お前の顔」
ひ「あぁ…そ、そうなんだ」

聡太郎は絵心がありません。


*新太と傑の場合

傑「新太、ちょっと来て」
新「なに?」
傑「市販のやつで悪いけど、はいこれ」
新「え…」
傑「今日、バレンタインでしょ?折角だから行事に乗ってみるのも悪くないかなって」
新「あ、ありがとう…」
傑「あれ?チョコ嫌いじゃないよね?」
新「嫌いじゃないよ。好きだよ。ただ…」
傑「ただ?」
新「あの…俺も今日、傑に渡そうとしてて。これ」
傑「えっ、そうなのありがとう…ん?あれ?こういうのって俺がやる側じゃないっけ?」
新「いや別に決まりはないと思うけど…どうして?」
傑「だって俺が女役でしょ?」
新「…」
傑「バレンタインは女の子が好きな人にチョコを渡すっていうイメージが…」
新「…一応聞くけど、女役ってエッチの話?」
傑「…あっ、いいいいいや、その…そ、そ、そういう話じゃなくて、いやそうなんだけど…!ごめん勘違いだったならいいですごめん!」
新「はー…もう…」
傑「うわぁ無意識だったすごい恥ずかしい…」
新「…大丈夫。俺今ものすごく萌えてるから。萌えすぎて苦しい」

ホワイトデーもお互いお返しを交換する二人。


*望と伊原の場合

伊「…ほんっとうに貴方はロクなことをしませんね…」
望「どうせお前はくれないだろうと思ってたからな。だったら自分で用意するしかないと」
伊「誰が汚れたシーツの洗濯をするかご存知ですか?私ですよ?」
望「大丈夫。シーツに垂れる前に全部舐めとるから」
伊「そういう問題じゃ…っあ、ちょ、いきなり…何か言ってから始めてください!!」
望「伊原のチョコシロップがけ、いただきます」
伊「人をデザートメニューみたいに!!」
望「僕の練乳もかけてやるからな」
伊「気持ち悪い言い方はやめ…っん、ぁ…」
望「…お前の乳首、可愛いな。苺みたいに真っ赤だぞ」
伊「や…、か、噛まないでくださ…ふぁ、んん…!」
望「ん、甘い」
伊「ばか…ッ、あっ、ひ、ぁぁ!」
望「ホワイトデーにはちゃんとお返しをするからな」
伊「へ、変なものならいりませんから…」
望「そうだ。僕にも同じことをしていいぞ。ホワイトチョコソースとかで…」
伊「いりません!!!!」

望の発言が本格的に気持ち悪くなってしまった。


*依人とスイの場合

依「スーイーちゃんっ」
ス「ん?」
依「今日何の日か知ってる?」
ス「ふふ、知ってるよ。バレンタインでしょ。ちゃんと用意してるから、あとで渡すね」
依「ほんと?ありがとう!嬉しい!あとね、重ね重ね申し訳ないんだけど…」
ス「うん?どうしたの?」
依「俺一回やってみたいことがあって!」
ス「…まさかチョコレートプレイとか、生クリームプレイとか言わないよね?」
依「そう!それ!いやぁ…あれは男のロマンっていうかさぁ…いいよね…エロいよね!」
ス「いや」
依「へ」
ス「依くん、あれはファンタジーなんだよ」
依「ファ、ファンタジー?」
ス「そりゃ気持ちは盛り上がるかもしれないけど、チョコとか生クリームがどれだけ脂肪分を含んでるか知ってる?すっごくベタベタするんだよ?服とかベッドが汚れるのも心配だし、後片付けをしてるときの我に返った感じ分かる?虚無だよ虚無」
依「は、はい…」
ス「以上諸々の理由から、そういうプレイは却下します」
依「はい…」
ス「ということで、普通のエッチをしましょう」
依「!!」
ス「ハッピーバレンタイン、依くん」
依「ス、スイちゃん…!!」

チョコレートプレイはファンタジーらしいです。




2015/2/14

ギリギリ間に合った…!良かった…!
バレンタインネタでした。


[ topmokuji ]



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