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▼ 愛して、囲って、閉じ込める

俺の弟は、とても頭がいい。この辺で一番の進学校に通っているし、何よりその端正な顔立ちのおかげで非常にモテる。家族という贔屓目を抜きにしても、そのかっこよさには目を見張るものがある。

それに対して俺は、中卒・ニート・引きこもりと三拍子揃った糞みたいな人間だ。同じ両親から生まれたのに、どうしてこうも違うのか。ただ、父も母も俺と弟を区別することなく平等に愛してくれていることだけが救いである。

「はぁ、兄さん、兄さん…っ」

そしてそんな弟も、こんな駄目な兄を蔑むでも罵るでもなく。むしろ向こうの方から慕ってくれている。俺のどこに慕われるような要素があるのかは甚だ疑問だが、まぁ自慢の弟のそんな態度は、なんとも心地がいいのだ。

「んァッ、ふ、ぐ、ぁぁ」
「兄さん、顔、とけてる」

ぱちゅんぱちゅんと腰を何度も叩きつけられて、飲み込めない涎が顎に伝う。まるで凶器のような弟のちんこが俺の好きなポイントを抉って、背中がこれでもかというくらい後ろに反った。

「た、かゆきぃ、おれ、おれ、ぅああっ、アッ」
「っなに?兄さん」

気持ち良すぎて怖い。掴むものを探して宙を彷徨っていた腕を、隆幸が掴んで。そのまま俺の身体を引き上げる。

「ひぎっ、はぁぁぁっん、あ、奥がぁ」
「っうぁ…」

所謂対面座位と呼ばれる体制。必然的にさっきよりもずっと深いところまでずっぷりとハメこまれ、穴の中が歓喜に震えるのが分かった。強い締め付けに耐えようとしているのか、隆幸の熱い吐息が首にかかる。

「あう、たかゆきぃ、んっんっ、もっと、もっとしてっ」
「ん、兄さんの好きなとこ、いっぱいぐちゅぐちゅしてあげる」
「ぐちゅぐちゅしてぇっ、あぁア、ひ、ン、やぁぁんっ」
「はぁ、もう…かわいすぎでしょ…」

泣きながら腰を自ら動かし、快感を貪る俺。ぐぽぐぽと恥ずかしい音が尻から聞こえるがそんなのに構っている余裕はない。だって、こんなにきもちいのに、やめられるはずがないだろ。

「兄さん、俺のこと好き?」
「んっ、あはァん、ひ、すき、すき、たかゆきのこと、おれ、だいすきぃっ」
「っ」
「ひうぅっ、んあぁぁぁっ」

勢いよく子種を最奥に叩きつけられ、その刺激で絶頂する身体。ぴゅっと二人の間に白く濁った液が飛ぶ。

「ん、ふ…」

力が抜けてもたれかかる俺を抱きしめ、隆幸は何度も何度もキスをした。はぁはぁと興奮したように舌を絡めてくる。

「兄さん、兄さん」
「ん、ん」
「どこにも行かないで、ずっとここで俺と一緒にいて」
「ふぁ、おれ、おれも、たかゆきがいなきゃ生きていけない…」

こんな駄目な俺を置いて行かないでくれるのは、この人だけだ。父さんも母さんもきっと俺より先に死んでしまう。

「兄さん、愛してるよ」

俺も愛してるよ隆幸。


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