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▼ 俺とお前はつまり虚仮

「あのさ、俺一個だけ試してないことあるんだけど」
「なに?」
「入れさせて」
「は?」
「大浦にちんこ入れたい。セックスしたい」

大浦は読んでいた雑誌を閉じ、大きな、それはもう大きな溜息を吐いた。

「言うと思ったよ。お前この間俺に目隠ししたとき、やばい顔してたし」
「どんな顔だよ」
「入れたいですって顔」

そのままじゃないか。

「…いいよ」
「えっいいの!?」
「その代わり俺にも後で入れさせて」
「どーぞどーぞ!」



というわけで、俺は今自分の指で大浦の尻を弄り倒している。

「んぁっ、ふ…ぐ、んん…!」
「痛くない?」
「痛いっつったら、止めてくれるっわけ、あぁっあ、う」
「止めないけど」

痛そうにはとても見えないし。俺が中を掻き回すたび、大浦のチンポはとろりと透明な液を吐き出した。なんだやっぱりきもちーんじゃん。

「あっあっ、篠田ぁ…っん!」
「…もう入れていい?」

そろそろ俺のチンコも限界なんですけど。ごりごり股間を押し付けると、大浦はひっと小さく悲鳴を漏らす。

「多分…平気、だと思う…けど」
「けど?」
「その、俺…初めてだから、優しくして…」
「ぶっは!なんだそれ処女か!」
「うっさい!」
「分かってるって。一緒に気持ちよくなりましょうねー」
「何そのキャラ…」

ぶちゅっと新しくローションを手にとり、自分のモノに塗り付けた。大浦の尻は…うん。もうベタベタだな。でもとりあえずもう一回濡らしとくか。

「入れるよ」
「…ど、どうぞ…」

大浦はぎゅっと枕を掴み、顔を覆い隠す。挿入の瞬間どんな顔するか見たいんだけどなと思ったが、下手なことを言って中断させられたら元も子もないので黙っておいた。

慎重に狙いを定め、腰をゆっくり押し出す。ずぶずぶと生暖かい襞に包まれていく感触がたまらない。

「んっ、く…あぁっ、は、あ、あ…」
「これやっば…っんん」
「きつ、あっ、うう…あついぃ…」

熱いのは俺も同じだ。

にゅるにゅるで、きゅんきゅんしてて、なんかもうイきそう。まだ全部入ってないのに。

「はぁ…ちょい待って…一回イく」
「えっ、んっふぁぁ…ちょっ…あぁぁあっ!?」

くちゅくちゅと入口の浅いところで軽く出し入れさせると、大浦は枕を抱きしめたままエロい声をあげた。あ、やば、イく。

「いくいくいく…っあぁぁ!!」
「ひっ…中、出て…」

びゅーびゅーとそのまま中に射精する。やばい。まじでこれはやばい。溶けそう。

「あー…出る出る…すげー出る…」
「早漏…」
「だって俺童貞だし」
「えっ」
「えじゃねぇよ!彼女がいたらお前にあんないろいろ頼むわけないだろ」
「そ、そっか、そうだよな…」

枕の端からちょこっと笑顔を覗かせる大浦。

…あ?うん…?えぇと、なんだこの気持ちは。

「大浦」
「え…っん」

軽く触れるだけのキスをした。触れた唇はちょっとカサカサしていて、柔らかくて、なんだかとても気持ちが良い。

「…なに、急に」
「お前、すげぇ可愛いのな」
「はぁ?」
「俺大浦のこと好きかもしんない」
「は!?んぁっ、待っ、待て!!」

ずっと腰を動かす。先程出した俺の精液のおかげで、随分滑りが良くなっていた。大浦は眉間に皺を寄せてしがみ付いてくる。

…うん。可愛い、かも、しれない。

「はぁ…っおおうら、あっん、んん…っ」
「んっんっ、なに、言って…あぁっあ、好きかも、ってなんだよ…ふぁ!」

言葉通りの意味だけど。

「お前さえ、んっ、良ければ…だけど」
「あぁぁッ、ふ、は…う、やぁ、待っ…そんな、突くな…!」
「俺と、付き合って」
「んんぁぁぁ…ッ!!」
「うぁっ、ちょ…!」

え、なんで今?というタイミングで大浦がイった。ぎゅぎゅぎゅっと引きつる腸内に汗が滲む。何コレやっばい。イったときのナカってこんなんなの…?

「むり…っ、出る…!」
「ひぁぁう!俺、イってんのに…っ」

二度目の中出し。すいません耐え切れませんでした。

荒い息のまま大浦の上に倒れこむと、軽く頭をはたかれた。

「俺のこと好きって、本気?」
「多分…だってこういうこと大浦としかしたくねーし」
「…エロ目当てか」
「まぁエロも大事だけど…なんか、お前見てるときゅんとするっていうか…」

ちゅ、と再び唇を合わせる。

「…可愛いし、誰にも見せたくないなって思うよ」

大浦の頬が茹蛸のように染まった。

「なっ、なに言ってんの…馬鹿!篠田本当馬鹿!エロ!」
「いてててて、やめろ背骨折れる」
「折れろ!」

どすどすと踵で背中を蹴られる。痛い。何でそんなに怒ってんの。俺真剣なのに。

「返事は?」
「…っ」
「大浦」
「〜っあぁもう!!」
「うわっ」

大浦は怒りながら首に思いっきり抱き着いてきた。耳元で小さな声が聞こえる。

「…ここまでしといて、好きだとか付き合ってとか、今更だろ…」
「ってことは…」
「言っとくけど、俺が入れる側だから」

――かくして俺と大浦は、正式な恋人になったわけである。

と言っても、やることは大して変わらないのだけど。

「なぁ、スカトロとか興味ねぇ?」

エロへの探求心はどこまでも尽きることはない。今日はどんなプレイをしようか。俺の頭はそんなことでいっぱいなのである。

「勘弁して…」


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