「も……ッ、奥……辛いっつってんだろ……っ」
「またイく? 結局好きじゃん騎乗位」
「……っるせぇ……!! だからイヤなんだよ上に乗んの……ッ」
そういうこと、をしているときの話だった。
「ッ、あ……っ、あ……っ、はげ、しい……ッ、出、るう……」
「……っ、ここ?」
「バカバカ……ッ!! っく、ッ、はぁ……っ、ん、っ、そこ突いたら……っ」
「ぁ……っ」
俺の指がふとひふみの乳首を掠めた瞬間、上擦った声が耳に響く。
「……」
「……」
「……何、今の声」
「……」
「無視すんな」
形勢逆転。俺はにんまりとほくそ笑んでひふみを見下ろした。
「え? もしかしてお前、乳首きもちいいん?」
「よくない」
「今喘いだくせに?」
「喘いでない」
「嘘つけ」
「……っ」
今度は親指で押しつぶすように触ると、ひふみは声を噛み殺すように唇を固く引き結ぶ。
「おいこら、唇噛むな」
右、左。くにくにと指で捏ね回してやる。
「……瑞、貴……」
俺の腰を掴むひふみの指が皮膚に食いこんでくるのがわかった。指先がぴくぴくと震えている。
かわいい。これは誰がなんと言おうとかわいい。俺はじっとひふみの顔を見つめて笑う。
「やっぱ気持ちいいんじゃん」
「っおまえ、その顔やめろ……」
「えー?」
「えー、じゃねぇ……っくそ……」
ひふみが舌打ちをして、仕返しとばかりに俺の胸に手を伸ばしてきた。
「んん……ッ」
きゅ、と先端を指で摘んで引っ張られ、声が漏れてしまう。こんなところで気持ちよくなってしまう癖がついたのも、全部こいつのせいだ。
「俺が先に弄ってたんだから、やめ……っ、おい、ひふみ……ッ」
「お前がやめたら俺もやめる」
逃げようと身を捩った瞬間、中に埋まったままのものがごりごりとイイところを押し潰す。
「ん、ぁあ……ッ」
ヤバい、出る。咄嗟に両手で自分のちんこを握り締めた。
「イった?」
「イ……って、ない……っ」
ぶるぶると震えながら込み上げる射精感に耐える。ひふみが腰をまた突き上げ始めた。
「あ゛、ッう、っ、ちくび、離せよ……っん、んん……ッ」
「やだ」
「俺がやめたら離すって言ったくせにぃ……ッも、……っ、出る……っうぁ、イく、からぁ……ッ」
「出る、じゃなくて、出てんじゃん」
言われて下を向くと、白く濁った液体がとろとろと先端から滴り落ちている。
「ぁ……っ、うそ、ぉッ、なんで……っ」
イった、という自覚がまた快感を連れてきた。ひく、ひく、と中が勝手に収縮する。
「おい、ッ、ばか瑞貴、そんな締めんな」
「知らねーよ……ッ、じゃあ、突くなぁ……っ」
イきっぱなしになっているところをガンガン突かれるのが苦しくて、抗議のためにまたひふみの乳首に手を伸ばした。ぎゅう、と指で挟んで引っ張る。
「痛……ッてぇ……!」
ひふみの腰が一瞬跳ねたかと思うと、突き上げが止んだ。中のモノがびくんびくんと痙攣しているのがわかる。
そう、これは、射精のときの。
「イ……った……え? 今ので?」
「っ、クソ……」
ものすごい目付きで睨まれた。が、イっている最中なので妙にエロい。俺はそんなひふみの顔をガン見していたが、途中で気づかれてまた睨まれた。
「……痛……まじで痛い……人の乳首狩る気かよ……」
「狩らねーよ。つうかそんなこと言いつつイったじゃん。乳首でイったじゃん」
「見ろこれ。赤くなってる」
「でもイったじゃ……痛ぇっ!」
ぱん、と手のひらで尻をはたかれた。
「くっそ……ムカつく……」
「ひふみは基本的にドマゾだからな。しょうがねーよ」
「俺のどこがマゾなんだよ」
「マゾじゃなきゃ俺に何年も片想いした挙句逃げたりしないだろ」
「……その話いつまで引きずるわけ?」
「一生に決まってんだろ」
苦虫を噛み潰したような顔をするひふみに、俺は笑ってキスをする。
「もう一回する? 今度は普通の」
「……する」
一生話してやるから、一生聞いてろ。