小ネタ | ナノ

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5th Feb 2021

小ネタ

比「和真、ね、起きて」ゆさゆさ
藤「……ん、どうした」
比「おはなししよ」
藤「いいよ」
比「あのね」
藤「うん」
比「和真は比菜のことどれくらい好き?」
藤「……たくさん」
比「大好きってこと?」
藤「ああ」
比「比菜も和真のこと大好き」ぎゅ
藤「ありがとう」なで
比「大好きって言うの、大人でもやっぱり恥ずかしい?」
藤「まぁ、人によるだろうけど……恥ずかしいと感じる奴は多いと思う」
比「和真も今恥ずかしかった?」
藤「なんでそんなこと聞くんだ」
比「……てっぺいくんがね」
藤「ちょっと待て」
比「なに?」
藤「聞くための準備をする」
比「なんの?」
藤「心の。よし、いいぞ」
比「てっぺいくんがね、比菜のこと好きっていうウワサを聞いたんだけど」
藤「……うん」
比「友達にお願いして、本人に聞いてみたら、そんなわけねーだろって言われたらしくて」
藤「てっぺい呼ぶか。ここに」
比「待って。まだつづきがあるの」
藤「わかった」
比「その友達が言うには、そのときのてっぺいくんは顔がまっかだったんだって。だから照れかくしだよって」
藤「……」
比「和真はどう思う?」
藤「比菜の友達の言葉を肯定したいと思う。けど、否定したい気持ちもある」
比「……なんて?もっとカンタンに言ってよ」
藤「……いいか比菜。男はバカだ」
比「え?」
藤「比菜くらいの歳だと余計にそうだろ。学校で見てて思わないか?あの遊び何が楽しいんだろうとか、バカみたい、とか」
比「……思ったことはある、かも……」
藤「てっぺいも例外じゃなくバカな男だ。だから、比菜からじゃなくて相手から言わせろ」
比「てっぺいくん頭いいよ」
藤「成績じゃなくて、考え方の話」
比「相手から言わせろって、てっぺいくんから告白してもらうってこと?」
藤「そう。もし仮に比菜から告白したとするだろ。んで付き合ったとするだろ。付き合う付き合わないの話はまだお前には早すぎると思うけど、それはさておき、てっぺいの周りの奴がそのことをからかったら、てっぺいはどうすると思う?」
比「おこると思う」
藤「だろ。怒って、恥ずかしくなって、友達にからかわれるのが嫌だからって理由で比菜のことを遠ざけたら?」
比「とおざけるって?」
藤「わかりやすく言うと、別れるってこと」
比「んー……そしたら比菜もおこる」
藤「え?」
比「そんなことで別れるのはおかしいよ。比菜は別れない」
藤「……そうか」
比「へん?」
藤「変じゃないよ。それでいい。ちゃんと自分の意思を持ってる比菜は偉い」
比「でも、ずっとまつのはいやだなぁ。てっぺいくん、早く言ってくれないかなぁ」
藤「てっぺい呼ぶか。早く告白しろって俺が言ってやる」
比「だめ!和真が言ってもいみないの!」
藤「なんでそんな子どもっぽいやつが好きなんだよ」
比「子どもっぽくないもん。てっぺいくんモテるんだよ」
藤「……てっぺいと俺、どっちがかっこいい?」
比「和真」
藤「じゃあ和真の方がいいだろ」
比「だめー。和真は大人だもん」
藤「大人だとなんで悪いんだ」
比「年が10個いじょうはなれてたら、ケッコンしてもしょうらいたいへんよって、ママが」
藤「そんなこと言うなよ子どもに……」



九「先生、30分経ったけど、まだ寝る?」
藤「……」
九「おーい」ゆさゆさ
藤「ん……ひな……?」
九「え」
藤「おいで」ぐい
九「おわっ……!?」
藤「もうちょっと……和真とお昼寝しよう……」ぎゅう
九「は……?」
藤「zzz」
九「……くっそ……なんだ今の……」かぁ

藤「あ……?」ぱち
九「zzz」
藤「おいお前、起こせって言っただろ。何一緒に寝てんだ」
九「いって……!?何!?」
藤「もう夕方じゃねぇか」
九「あ……っ!!ごめ、俺寝てた!?」
藤「まぁ別に良いけど」くぁ
九「はっ!そうだ!先生!」
藤「なに」
九「……っ」かぁ
藤「……なんだよその顔は」
九「超かわいいっていう感情と、比菜ちゃん羨ましいなっていう感情が入り交じって、こう……ぐちゃぐちゃに……」
藤「は?」
九「あぁもうさっきの先生ちょー可愛かった!!」わっ
藤「……一体何したんだよ俺は」
九「えぇ?」
藤「だらしない顔してないで言え」
九「言っていいの?」
藤「……」
九「……先生って、比菜ちゃんの前で自分のこと和真って呼ぶんだ?」
藤「……」ばふ
九「あっ、ちょっ……潜るな!」
藤「もうお前の前で絶対寝ない」
九「いーじゃんちょっとくらい間違えたってさぁ!誰に言うわけでもねーんだし!」
藤「殺せ」
九「そんなに!?」
藤「仕方ないだろ。可愛い姪なんだから。何が悪い」
九「俺は悪いって言ってないし」
藤「うるさい。黙れ。記憶を消せ」
九「んっふふ、ふふ」
藤「気持ちの悪い笑い方をするな」
九「先生かわいい」ちゅ
藤「……」
九「なに?」
藤「いや……」
九「?」
藤「……お前も比菜も、順調に育ってるなと思って」
九「なんの話だよ」
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