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1st Aug 2020

小ネタ

深「えーっと、皆さんこんばんは。見てくれてありがとうございます」
葉「こんばんは」
深「あ、まだ出てきちゃ駄目って言ったじゃないすか」
葉「俺配信初めて」
深「聞いてないし……てことで、今日はスペシャルゲストを呼んでます。事務所の先輩の葉山さんです」
葉「こんばんは。葉山です。SNSには割と疎いので、後輩の深水くんに教えてもらおうと思います」
深「葉山さん、アカウントは持ってますよね?」
葉「持ってる。極々偶にしか更新しなくて申し訳ない」
深「この間俺が力尽きて爆睡してる写真あげましたよね。営業妨害ですよ」
葉「ちゃんとお前のとこのマネージャーに許可は取ったから」
深「何で?すごい馬鹿面してたのにOK出さないでほしい」
葉「いいね数は伸びてたし、すごい馬鹿面と言えど需要はあるってことだろ」
深「俺が同じことしたら怒るくせに……」
葉「俺はあんな顔で寝ない」
深「まぁそうでしょうけど……。えーと、とりあえずコメント拾っていきましょうかね」
葉「自粛中休めた?って」
深「休めたどころの話じゃないですよね」
葉「五連休があった。ちょっと前の俺たちからすると、考えられないよな」
深「撮影関係も全部止まっちゃってましたから。今までこんなことなかった分、逆に何していいかさっぱりわかんなくて」
葉「逆に皆何してたか教えて欲しい」
深「あーそれ聞きたいかも」
葉「えーと……ゲーム、読書、映画鑑賞……この辺は王道か」
深「料理って書いてる人もちらほらいますよ」
葉「料理は確かに。暇潰せるし、お腹も満たされるし、節約にもなるし、得なこと多いかも」
深「葉山さんのご飯超おいしいんですよ」
葉「それいろんなとこで言って回ってるだろ」
深「え?」
葉「深水くんのこと餌付けしてるんですかっていろんな現場で言われる」
深「餌付けって……否定はしませんけど」
葉「実際俺も餌付けのつもりでやってるしな」
深「ちょっと」
葉「お前は普段自堕落な食事しすぎ」
深「う」
葉「今はいいけどそのうちデブるぞ」
深「もうちょい若さでがんばりまーす……」
葉「おい」

深「次は何話そうかな。なになに……二人でドライブ行ったときの話して、だそうですよ」
葉「ドライブ?」
深「俺が写真上げてたやつじゃないすか。海行ったやつ。そのときのことでしょ」
葉「ああ、あれか」
深「もともと結構な期間、葉山さんには俺の運転の練習に付き合ってもらったんですよね」
葉「そう。ことあるごとに連れ回されてた」
深「んで慣れてきた頃に、そろそろ遠出するかーって話になって」
葉「じゃあどこ行く?って」
深「ドライブっていったら海でしょ!って」
葉「運転してる間、こいつちょこちょこ俺の曲車内で流すんですよ。新手の嫌がらせかと思いましたね」
深「違いますよ!シャッフル再生なんだから不可抗力です!」
葉「不可抗力じゃないだろ。嬉々として歌ってくださいって言ってきたじゃん。わざとじゃん」
深「だって本家が隣にいるんだったら生歌聴きたいじゃないですか……」
葉「本家って。お前が歌えばいいだろ。たまに俺の曲口ずさんでるし」
深「なんで知ってるんですか」
葉「逆になんで知らないって思うんだ」
深「……ともかく、えーと……何の話でしたっけ?」
葉「ドライブの話」
深「あ、そうだそうだ。海行って、そんで」
葉「誤魔化し方下手すぎ」
深「うるさい」
葉「先輩に向かってうるさいって?」
深「海行って、そこで」
葉「聞け」
深「違うんすよ。うるさいっていうのは言葉の綾っていうか」
葉「うるさいって言葉の意味に綾もなんもないだろ。皆さんどうぞ叱ってやってください。あ、コメントで」
深「葉山さんは懐が深いですから、きっと許してくれますよね」
葉「最近輪をかけたように生意気になってきたな」
深「ちゃんと尊敬はしてますよ」
葉「どれくらい?」
深「この世で一番ですかね」
葉「即答するなよ。悩めよ。逆に嘘っぽいから」
深「ん゛〜……」
葉「悩むふりはするなよ」
深「注文が多い……」
葉「だからそういうのがかわいげないって言ってるのに」

完「トレンド1位おめでとう」
葉「見てたのか」
完「夏が興奮しながら見てた」
葉「夏生くんそういう配信とか見てくれてるんだ」
完「知ってる人のは割と見てるよ。SNSによるマーケティングの参考に……とかどうのこうの言ってるけど、あいつ根本的にミーハーだから」
葉「お前は?配信とかしてたっけ」
完「今のとこはない。やろうかなと思ったことはある」
葉「夏生くん詳しいならやってみれば?」
完「んー……でも二人みたいにアイドル本業ってわけでもないし、需要ないとは流石に言わないけど、力不足というか、俺の力量じゃ見てくれる人を楽しませるのは難しいというか」
葉「相変わらずストイックだな」
完「あと、何かを演じてない自分を見られることに結構な緊張を覚える」
葉「へぇ……緊張ねぇ」
完「俺は本当に演劇しかしてこなかったから」
葉「そういうところだよ」
完「何が?」
葉「お前のそういうところこそ魅力だろ」
完「え……何……?褒められてる……?」
葉「なんで怖がるんだよ」

完「俺の魅力って何?」
夏「急にどうした」
完「いや、なんか今日葉山さんに褒められたから」
夏「葉山さんに?」
完「俺は演劇しかしてこなかったから、素の自分を見せるの苦手だって話をしてたんだけど」
夏「うん。そういうとこあるよね」
完「それが魅力だって言われた」
夏「腑に落ちてないんだ」
完「演技してる自分のことは好きだけど、普段の自分のことは考えたことがなかったから」
夏「僕は葉山さんに全面的に同意するかなー」
完「理由は?」
夏「そうやって悩んでるとこ」
完「真面目ってこと?」
夏「完治は結構自己評価が低いよね」
完「現状で満足しちゃったら、先がないだろ」
夏「確かにそうなんだけどさ。そうやって人から言われたことをひとつひとつ拾って、自分のものにしようとするとことかすごいなって思う」
完「んー……」
夏「お前のこと一番見てきた僕が言ってるんだよ。自信持ってよ」
完「それって大部分はお前のおかげだからな」
夏「えぇ?そうなの?」
完「お前、すぐ逃げるんだもん。ちゃんと丁寧に拾ってかないと取りこぼす」
夏「……丁寧になんて拾わなくても、僕の言動って基本的にわかりやすいだろ」
完「それでもだよ。逃していいことなんて一つもない」
夏「……」
完「ひとつ残らず全部欲しいから」
夏「……あげてるつもりだけど……」ぼそっ
完「ほんと?」
夏「ほ……ほんと」
完「……」じっ
夏「……こっち見るな」
完「……」
夏「み、見るなってば……!」あせっ
完「……」じいっ
夏「ほんとにやめて!」
完「なんでマジトーンで言うんだよ」
夏「この顔面殺人鬼」
完「悪口すぎるだろ。いや一応褒めてんのか……?」
夏「お前は顔で人を殺せることを覚えておいた方がいい。配信なんてしたら死人が出る」
完「殺せねーよ」
夏「僕は死ぬんだよバカ!死んでみようか!?」
完「いいよ死ななくて。死ぬなよ」
夏「誰のせいだと……全く、心臓に悪……」
完「……」ぐい
夏「ぎゃあ!!!!言ってるそばから!!顔近づけんな!!!」
完「なっちゃん、好きだよ」
夏「!!」
完「はい返事は?」
夏「待って、無理……っ」ぶわっ
完「あーあー泣くなよ」
夏「お前のせいだろ!」
完「俺は夏のそういうところが本当に大好きだよ」

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