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ふわふわと純粋無垢な笑顔を浮かべる目の前の少女を見つめて、佑真は自然と自分の中で少女に対する愛しさとそれに対する黒い感情が膨れ上がっていくのをぼんやりと感じていた。

少女への愛しいと思う気持ちが大きくなることに比例して、少女を滅茶苦茶に壊してしまいたいと思う気持ちもまた大きくなっていく。目の前で微笑む少女はそんな彼の心を知らない。

「…ねえ、沙夜」
「どうしたの?ゆーくん」

にこにこと笑う少女は一切の穢れを知らない。例え今この瞬間佑真が少女のことを滅茶苦茶に壊してしまっても、少女はきっとそれに気づくことなくまた彼に笑いかける。それは、佑真にとってはとても残酷で。けれどそれでも、少女を自分だけのモノにしたいという欲望は収まるところを知らない。

「…沙夜」

また名前を呼んで。少女はまた笑いかける。その度に、その無邪気に笑う笑顔を壊したいと、自分のことしか考えられないようにしたいと思うけれど。それを実際にしようとは、思わない。
欲望のままに少女を手に入れたとしても、それはきっと酷く何か虚しいものを佑真のなかに残すだけだろう。ならば、まだ。まだ。目の前で笑う少女と共に笑い合えていればそれでいい。
虚しさを抱えたまま少女を手に入れても、それはほんとうの『シアワセ』ではないだろう。だから佑真は今日もまた、己の欲望を自分自身で抑えつけて。また少女に笑いかける。

欲望は尽きないけれど、今はまだ、このままで。

少年は少女に笑みを向け。少女もまた少年に笑みを返す。

笑う少女を抱きしめて、佑真は瞳を閉じる。腕の中で笑う少女に笑みを返して、抱きしめる腕の力を強めた。逃がさないと言うように。

これからもずっと、少女に捕らわれたまま。

けれどそれもいいだろう。ならば自分も彼女も互いに捕らわれればいいだけのこと。ただ、それだけのこと。

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あれれ、なんか暗いぞ。何故こうなった。
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