二次元いきたいなぁ。

そう思ったことは多々ある。特にテストが間近に迫ったときとか。テストなんかこの世から消えてなくなればいい。ああ、話がそれた。

話を戻そう。先ほども言ったとおり、二次元大好きな僕は所謂「オタク」に分類される人間だ。しかもドリーマー。腐女子とは若干異なる、かっこよく言えば夢の世界の住人だ。おい誰だ厨二表現乙とか言ったのは。


こほん。


まあとにもかくにも、多少夢小説を嗜む僕の頭の中には、これまで様々な製作者様(と書いて神と読む)が考えてこられた、ありとあらゆるトリップ展開が詰まっている。神様に呼ばれてトリップしただの、夢の世界で何かと交信して気付いたらトリップしてただの、王道な展開は数多く存在する。

さて、ここでちょっと冒頭に戻ろうか。


二次元いきたいなぁ。


この言葉には、切実に異世界トリップを希望する願望がコレでもかと言うほど詰め込まれている。
でもいきたいなぁというのはせいぜい願望で、僕たちが三次元に存在している限り、それこそ奇跡でも起こらない限りほぼ100%無理な可能性である。

うん?何故こんなわけの分からないことをいきなり、長々と語り始めたかって?
これがただ言葉を並べただけの意味の無い戯言であることなど僕にも最初から分かりきっているさ。ぶっちゃけ言おう。


僕も自分で何言ってるか全然分かってない。←


だから上記の内容が理解できなかったと嘆く必要は、一切無いからね。うん。
では、何故僕がこんな意味の無いことをしているのか。いや、別に適当に文を長くして無理やり小説っぽくしようなんて考えは無い。断じて無い。

正解は、そうでもしないと僕のなんか大事な精神が崩壊しそうな事態に現在直面しているからである。

よし、じゃあいったん深呼吸しよう。

いいか、僕。取り合えず落ち着こう。

深く息を吸って、吐いて。

いいな?最初に言うべき言葉は既に決まっている。

さて、深呼吸して、心を落ち着けろ。そして、いざ!開☆眼!!



「生まれた!生まれましたよ、元気な双子の赤ちゃんです!」



王道すぎだろこの展開いいいいいいい!!!!

おぎゃあおぎゃあと大声で泣く赤ん坊の泣き声をすぐ隣で聞きながら、僕は全力で地面を叩きたい衝動に駆られていた。

なんだよおめでとうございますって!!生まれたのか?僕は今生まれたのか!!?
直前の深呼吸などやっぱり意味は無く、混乱しまくる中頭にうっすらと残る記憶は、僕に向かって突っ込んでくる赤い塊。あの時は突然すぎて思考回路が働かなかったけど、よくよく考えてみたらアレ車じゃね?
ってことはつまりだ、僕は数あるトリップ方法の中でもメジャーなものの一つ、交通事故→気付いたら生まれ変わって転生トリップ☆な展開を実体験したということか!?嘘だろおおおおおおお!!!!

なんだ、ってことはつまり、僕はあの事故で死んだのか!まだ遊戯王のDVD見返して無いのに畜生!!!最初に出てくる未練がそれの時点でお前アウトだろというのはごもっともだが、そこにはあえて触れずにおこう。



「おめでとうございます、お母さん!二人とも、とっても元気なお子さんですよ!」



僕ともう一人、双子だという赤ん坊を抱き上げ、助産師さんがにっこりと笑う。

あああ、もう何がどうなってんの、マジで。
考えるより早く、再び僕の思考はずぶずぶと急激に沈んでいった。





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