クリスマス


12月24日、12月25日。

その日は、江戸にはまだねぇけど、未来ではクリスマス・イヴ、クリスマスって呼ばれる日らしいんでぃ。
クリスマスツリーという物を飾ったり、友達や家族と楽しく過ごしたり。
…好きな人と過ごす人もいるらしいんでぃ。
おいらは…。

「ゴエモンさん?」
「あれ、おみっちゃん…」

そうか…今日の事考えてて…全然おみっちゃんの声聞こえてなかったんだな…。
確か、散歩してたんだっけ。

「大丈夫?」
「おう。そういえば、まだ話してなかったよな」

そう言っておいらは、おみっちゃんにクリスマスの事を話す。
クリスマスツリーを飾ったりする事。
友達や家族とご馳走を食べたりして楽しく過ごす事、そして。

「…好きな人と過ごす人もいるんでぃ」

その事も話した。
何言われるかなんてわからねぇけど、クリスマスをおみっちゃんに知ってもらいたかったんでぃ。
そしてそのクリスマスに…おいらは…。

「だったら、一緒に過ごそう?」
「え…」

おいら、聞きまちがいでもしたのかと一瞬疑った。
けど、おみっちゃんは確かにおいらが言いたかった事を…。

「好きな人と…過ごす人もいるんでしょう?」
「お、おう、でもいいのかい?」

「もちろん」っておみっちゃんは言って、笑顔を見せる。

「私が好きなのは、ゴエモンさんだから」
「おみっちゃん…ありがとう」

正直好きな人と過ごす人もいる事を、話そうかどうかは迷った。
けど、話してよかったぜぃ。

「そうだ、明日、クリスマスは、エビス丸達を呼んでみんなで過ごそうぜぃ」
「うん、そうね」

そう言っておいら達はエビス丸達に、明日集まってみんなで過ごそうという事を伝えて、その後は二人で過ごした。

夜はおいらの家で、おみっちゃんが持って来てくれたお団子とお茶を食べ飲みして。
他にも色々な物を食べて。
『けーき』っていう物も食べるらしいけど、江戸にはまだないからな。
お茶の入ったおいらの持つ湯飲みと、おみっちゃんの持つ湯飲みを軽くぶつけて。
声を揃えて言葉を出した。

「メリークリスマス」

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