大切な時


空が、少しずつ青から橙色へと変わっていく。
夕日を背に、私の目に映るのは青年の姿。
様々な経験をして、前よりもずっと勇敢でたくましくなった青年…私の幼なじみの姿。
彼が経験をする前は空で、スカイロフトで当たり前のように過ごしていて。
ある事をきっかけに、その当たり前だったその日々の事がとっても大切な物だと改めて実感した。

「ゼルダ、どうかした?」

色々思っていたら、凛々しさを感じさせる微笑みを見せて、幼なじみ…リンクがそう声を出す。

「ふふ…ううん、なんでもないの」
「そうなのか?」
「ええ」

今こうして、リンクと過ごす事が出来る時間がとっても嬉しくて、笑みがこぼれただけ、私はそう心の中で想う。

「…リンク、大好きよ」

代わりに、その想いを含めた言の葉を声に出してリンクに伝える。

「…僕もだよ。大好きだ、ゼルダ」

リンクは笑顔を見せて、同じ言の葉を私に伝えてくれた。
お互いに頬を赤らめて、笑顔になる。
この大切な時に感謝し、同時に幸せに感じるのだった。

[*前] [TOPへ] [次#]