鈍い兄弟



「ヒューバートって鈍いよな」

ラントで休んでいる時の事だった。
部屋で一人休んでいたヒューバートの所へやって来たアスベルがそう言ったのは。

「突然何ですか、兄さん」

ベッドに座っていたヒューバートはアスベルを見てそう言う。

「気付いてないだろ?」
「…何の事です?」

ヒューバートがそう言ったのを聞いた後、アスベルは自分の机へと向かい、椅子に座る。
そして声を出した。

「ソフィの事だよ」
「ソフィの事…ですか?」

アスベルにそう言われても訳がわからず、ヒューバートはそう聞く。

その時、ノックの後扉が開き、シェリアが部屋へと入って来た。

「アスベル、買い出しに…行かない?」
「ああ、行こうか。ヒューバートも一緒に…」
「僕はここにいます」

ヒューバートを見て言ったアスベルに、ヒューバートは即答する。

そうか、と少々苦笑いを浮かべながらアスベルはそう言い、シェリアと共に部屋を出た。

「…兄さんの方が鈍いのではないですか?」

アスベルとシェリアが出て行った後、ヒューバートはそう呟いた。
その後再びノックの音が聞こえ、扉が開く。
そこにはソフィの姿があった。

「ヒューバート、お花が咲いたの。行こう?」
「ええ、行きましょうか」

優しい笑顔を見せて言うソフィにつられて、ヒューバートは微笑みながらそう言い、ソフィと共に部屋を出るのだった。

***
TOGfが出る前に書いたものです。

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