――気付いた時、目の前は真っ暗だった。 何も見えなくて、ここが何処なのかもわからない。 歩こうにも、歩けないみたいだ。 こんな状態で尚且つ暗い。 不安な気持ちになりそうな状況なのに、不思議とボクは不安を感じなかった。 寧ろ、安定と安心を感じる空間だった。 ここが何処なのかも気になるけど、今、何時なんだろう? 朝?それとも夜? こう暗いと全然わからない。 色々な考えが頭の中を駆け巡ってた時、突然、目の前が明るくなった。 ――“外”だった。 「アチャモ、ひのこ!」女の子の声がした。 目に映ったのは――ポチエナだ! とりあえず襲われているんだろうと気付いた時、ボクは言われるがままにひのこを繰り出した。 おかしい、ボクはもう、ひのこを“忘れた”はずだ。 ポチエナを撃退すると、ボクに触れた丸い何か――ボールみたいなもの。 光に包まれたかと思ったら、女の子の笑顔を最後に再び目の前は真っ暗になった。 それから暫く記憶がない。 再び外に出れた時、目に映ったのはさっきの女の子の姿だった。 「これからよろしくね、アチャモ」 何がどうなっているのか、よくわからない。 女の子の傍にいた同じくらいの男の子と男性の言葉に、ボクは状況を理解した。 ボクは、女の子のパートナーになったんだと。 女の子は、どうやら旅を始めるらしい。 ここは“ホウエン地方”だということ以外にも、色々な事を教えてくれた。 さっきの丸いものは、モンスターボールって名前らしい。 ここの世界のポケモン――人間のパートナーは野生のポケモンが飛び出すまではあの中に入って過ごしてるみたいだ。 真っ暗なのは不便だけど、正直意識すらあるような無いような。 外の状況も全く分からないってわけではないから、悪くはないのかもしれない。 それはそうと、どうしてボクはここ――ホウエン地方に? おだやか村やみんなは…調査団のみんなはどこに? ボクの大切なパートナー…ポッチャマはどこに… わからない事がありすぎて、頭の中は混乱してる。 突然居なくなったら女の子にも迷惑がかかるって思ったボクは、とりあえずこのまま女の子と旅を共にすることにした。 その中で何かわかるかもしれない。 ――初めて見た時から思ってたけど、この女の子と初めて会った気がしないのはなぜだろう…? 旅の途中一匹のタネボーと遭遇した。 女の子はボクに手加減してって言ってきた。 攻撃を受け弱ったタネボーに投げられるモンスターボール――タネボーは抵抗することなくボールの中へと入っていった。 女の子はすごく嬉しそうだ。 ボクとタネボーの特訓が始まった、8つのジムを制覇するための。 その途中でボクの体に異変が起きた。 “進化”だった。 どうやらこの世界では、成長すると進化するようになっているらしい。 ここで姿が変わってしまったら、みんなにボクだって事が分からなくなっちゃうかもしれない。 ボクは必死に姿を変えることを抑えた。 それは女の子にも伝わったみたいだ。 異変は、タネボーにも起きた。 タネボーは進化を抑える事無くその時を迎えた。 進化した姿はコノハナだった。 ボクは驚いた、そのコノハナは、ポッチャマを保護したあのコノハナさんだったからだ。 コノハナさんにも、この状況は理解が出来ないらしい。 わかる限りの事をボクはゆっくり説明した。 どうしてこの世界にいるのか。 コノハナさんはどうしてタネボーになっていたのか。 ポッチャマはどこに行ったのか。 疑問は解けないままいつの間にか時間が流れて、仲間は増えて、8つのジムも制覇を迎えていた。 四天王、そしてチャンピオンに勝って、女の子はチャンピオンになっていた。 再び訪れた危機に、女の子とボク達は立ち向かった。 そして、世界をも救った。 いつの間にか、たくさんの思い出が出来ていた。 疑問は何一つ解決していなかったけど、ボクもコノハナさんも楽しんでた。 もちろん、互いにポッチャマの行方を案じながら。 ――どこにいったの?ポッチャマ…。 世界を危機から救って数日たったある日だった。 女の子が家から外に出た時に聞こえた、救いを求める声――。 女の子が走った先には、バッグがあった。 そこのモンスターボールに入ったポケモンを使って助けてくれって、男性は女の子に伝えた。 女の子は、バッグの中から3個のボールを取り出した。 その内の一つに触れた時、女の子の表情が変わった。 その一つにまるで吸い寄せられたかのように、女の子はそのボールを大事そうに抱き締めた。 男性が去ったと同時にモンスターボールの中から現れたポケモン。 言葉を失った、何故って、ボクとコノハナさんがずっと探してたポッチャマだったんだから 女の子はボク達をボールから出してくれた。 そうして、ポッチャマを向き合わせた。 ポッチャマは、全てを話してくれた。 「あの女の子は、人間だった時の自分」だと。 ボクとコノハナさんは、驚きを隠せなかった。 何故このホウエン地方に? 人間だった時の思い出が何らかの形で自分たちを引き寄せた。 その時に事故か何かでコノハナは退化した、ボクはモンスターボールの中へと入った。 調査団のポケモンも、恐らく世界のどこかにいる。 女の子がポケモンのポッチャマが入ったボールに触れた事で全て分かったと 全てが分かった今、いつでもこの世界とおだやか村のある世界に行き来できるはず、ポッチャマはそう教えてくれた。 何から何まで驚きだったけど、ポッチャマの言ったことは本当だ。 何故なら、ボクとポッチャマは今、おだやか村のある世界で、ボクたちが生まれた世界で調査をしているからだ。 *** 某場所にメモとして描こうと思ったら長くなりまして、いっそこのまま載せてしまえと載せました…っ。 オメガルビープレイしてる内に、もしこんな感じだったとしたら?とか想像が止まらなくなってしまって…! 簡単に言えば主人公が人間だった時の世界にアチャモ達が行っちゃって、そこで世界を救いましたってお話です。 ソフト変えればいつでもおだやか村に帰れるよ…!( 2015/10/27 |