ミニマム猩影



*腹ごしらえだ!1


ぐーぎゅるるるる……


「……あ、猩影、お腹すいた?」
「…しょーちゃん、へーき、へーきだよ!ほ、ほんとだよ!」


猩影は顔を真っ赤にして、必死に否定するけど、嘘なことはバレバレだった。
…でも必死な猩影が可愛いな…この子ほんとにこんなんで昔誘拐とかされなかったのかな…心配だ。


時計を見ると12時を過ぎたところだ。
うん、お昼にしよう。ただし、猩影が気を遣わないようにしなければ。


「…あーあ、私お腹すいちゃったなぁ…。ねぇ猩影、お昼ご飯作っちゃダメかなぁ?」
「……っい、いいよ!しょーちゃんもてつだう!」
「本当?ありがとう」


…猩影って、元々優しいけど、この年からこんなに優しい…しかも、この年特有の可愛さも持ち合わせている。なんて素敵なんだ…!
とりあえず絶対教育を間違えないようにしよう。


私は猩影の頭を一撫でしてから猩影の手を引いてキッチンに向かった。
その際、猩影が恥ずかしそうに身を捩ったのを見て悶えたのは秘密である。




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