on Oct.13th
明日はボンゴレ10代目・沢田綱吉さんのお誕生日です。その為、今日は丸一日を掛けてボンゴレ邸ではパーティーの準備が行われていた。
何処も彼処も皆さん大忙し。勿論、私もお手伝いに駆り出されました。
何時もは役に立たない私だけど、今日は別。出来る事があるのはやはり嬉しい。…でも一つだけ納得のいかない事がある。
それは――?
「リボーンさん、来客者名簿、これで問題ないか目を通して頂けますか」
「小僧、料理長からメニューの一覧を預かって来たぞ。これで良いか?」
「リボーンさん」
「リボーンさん」
目の前で、筆頭になって準備を進めているリボーンさんについてだ。
何を隠そう、本日13日が彼の誕生日なのだとか!
実は私自身、その事実を知ったのは数時間前で、ふらりと此方に立ち寄ったコロネロさんに聞くまでは全く知らなかった。
本人に「どうして教えてくれなかったんですか?」と訊ねても「年齢を訊かれるのが面倒だったからだ」と返され、話は即終了…。彼はさっさと準備に戻ってしまった。
確かに年齢は気になる。だって祖母の事を知っている位なのだから、かなり年上だと言う事は分かるのだけど…、――って、今はそんな事を気にしている場合ではない!
今からでも何か出来る事はないだろうか。
「あっ」
その時、ピンとひらめきが生まれる。そうだ。今はパーティーの準備中。ならアレがある筈だ。
私は会場を飛び出した。
≪リボーンside≫
先程まで傍に居た名前が急に姿を消した。彼女に限ってサボリと言う事はないだろうが、一体何処へ行ったのやら…。
「リボーンさん!」
その時、名前を呼ばれて振り返ると、そこには探していた名前の姿が。
「お前、このクソ忙しい時に何処へ――」
続く言葉は、目の前に差し出された“モノ”によって遮られる。
名前が持って居たのは、小皿に乗った一人用のデコレーションケーキ。
「明日出すケーキを、料理長さんに少しだけ分けて貰ったんです。今からじゃあ簡単なお祝いしか出来ませんけど――」
名前はふわりと微笑みながら、お皿に乗ったデコレーションケーキをリボーンに手渡した。
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