月夜の下のワルツ

頭上には光り輝くシャンデリア。周りには豪華に着飾り、談話する人々。そして目の前には見た事もない料理の数々…。



「どう見ても私には不似合いな場所ですね」



そりゃーもう、誰が見たってそう思うであろう場所に…私は居ます。

事の発端は今から一週間前の事だ。沢田さんに呼ばれて部屋を訪ねると一枚の封筒を渡された。



『キャバッローネから俺達と守護者、リボーン宛てにパーティーの招待状が届いたんだ。………はい、これ名前の分』




渡された封筒を見つめて私は固まる。沢田さん達に招待状が届くのは分かるけど、どうして私にまで?確かに『歌姫』という特殊な役職を与えて貰ってはいるが、それは名前だけのなんちゃってポジションだ。…ひょっとしてディーノさんが気を使ってくれたのかな?

その気持ちは嬉しいけど、やっぱり私には場違いだよ…。そう思って初めは断ろうとしたのだが「行きたいなら遠慮せず言えよ」と沢田さんに言って頂き、皆さんが行くなら…とパーティーに参加する事に決めた。

なのに――。沢田さん、獄寺さん、山本さん、骸さんの四人は任務が入っていた為、初めから不参加。残った雲雀さん、笹川さん、リボーンさん、ランボくんの五人で参加する予定が、今朝同盟ファミリーから緊急要請が入った為、笹川さん、ランボくんが応援に向い、リボーンさんも二人のサポートに回るからと急遽キャンセルに…。

結局、雲雀さんと二人だけになってしまった。しかも、頼みの綱である雲雀さんは会場に入るなり「群れ過ぎ」と言って一人で何処かに行っちゃうし…。はあ、私は一体どうすればいいのか。



「いよぉ、名前。そんな隅っこで何してんだ」

「ディーノさん」



突然目の前に現れたのはキャバッローネファミリーの10代目ボス、ディーノさん。今回、私達を招待してくれたこのパーティーの主催者だ。私はディーノさんに向き直ると深々と頭を下げた。



「今日はお招き頂き、有難う御座います」

「そんな畏まるなって。…それより、恭弥と二人で来たんだろ?アイツは?何処行ったんだ?」

「そ、それが…会場に入るなり一人で何処かに行ってしまってι」

「嗚呼〜…まあ、アイツは昔からこういう席が嫌いだったからなι」

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